「領収書の箱がどんどん増えていくけど、いつまで取っておけばいいの?」。個人事業主から毎年いただく質問です。
個人事業主の帳簿と領収書の保存期間は、青色申告か白色申告かで異なります。青色申告なら原則7年、白色申告なら帳簿7年・領収書などの書類5年が基本です。この記事では、国税庁の案内をもとに、保存期間と数え方、電子データで保存する場合の注意点を整理します。法人の場合はレシート・領収書は何年保存する?(法人)をご覧ください。
- 青色申告:帳簿・決算関係書類・領収書などの現金預金取引等関係書類は7年(前々年分の事業所得・不動産所得が300万円以下なら領収書などは5年)、請求書・見積書・契約書などは5年
- 白色申告:収入と経費を記載した帳簿は7年、領収書・請求書などの書類は5年
- 期間は、その年の翌年3月15日の翌日から数える。2026年分の7年保存なら2034年3月15日まで
- 消費税の課税事業者は、仕入税額控除のためのインボイスや、交付したインボイスの写しを7年保存する
- 電子取引のデータはデータのまま保存。紙はスキャナ保存の要件を満たせば捨てられる
青色申告の保存期間
青色申告者の帳簿書類の保存期間は、次のとおりです(国税庁「記帳や帳簿等保存・青色申告」)。
| 区分 | 主なもの | 保存期間 |
|---|---|---|
| 帳簿 | 仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など | 7年 |
| 決算関係書類 | 損益計算書、貸借対照表、棚卸表など | 7年 |
| 現金預金取引等関係書類 | 領収証、小切手控、預金通帳、借用証など | 7年(前々年分の事業所得・不動産所得が300万円以下なら5年) |
| その他の書類 | 請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など | 5年 |
レシートや領収書は「現金預金取引等関係書類」に当たるため、青色申告者は原則7年です。ただし、前々年分の事業所得と不動産所得の金額が300万円以下の場合は5年でよいとされています。年によって所得が変わるため、迷ったら7年保存しておくのが確実です。
白色申告の保存期間
白色申告の人も、事業所得・不動産所得などがあれば、帳簿を付けて書類を保存する義務があります。確定申告の必要がない人も含まれます(国税庁「記帳・帳簿等の保存制度」)。
| 区分 | 主なもの | 保存期間 |
|---|---|---|
| 帳簿 | 収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿) | 7年 |
| 帳簿 | 業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿) | 5年 |
| 書類 | 決算に関して作成した棚卸表その他の書類 | 5年 |
| 書類 | 請求書、納品書、送り状、領収書など | 5年 |
保存期間の数え方
保存期間は、帳簿はその閉鎖の日の属する年の翌年3月15日の翌日から、書類はその作成または受領の日の属する年の翌年3月15日の翌日から数えます(所得税法施行規則63条4項・102条4項、国税庁「帳簿の記帳のしかた」)。
| 2026年分の書類 | 起算日 | 保存期限 |
|---|---|---|
| 7年保存のもの | 2027年3月16日 | 2034年3月15日まで |
| 5年保存のもの | 2027年3月16日 | 2032年3月15日まで |
年ごとに箱やフォルダを分け、「〇年まで保存」と書いておくと、捨ててよい時期が一目で分かります。
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オンライン記帳・申告サポートを見る消費税の課税事業者・副業の人の注意点
消費税の課税事業者はインボイスを7年保存
消費税の課税事業者が仕入税額控除のために保存する請求書等や、インボイス発行事業者として交付したインボイスの写し・電子データは、上の期間にかかわらず7年間の保存が必要です。消費税の帳簿と請求書等は、課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から7年間保存します(6年目と7年目はどちらか一方でよいとされています。国税庁タックスアンサーNo.6496)。
白色申告で、領収書の保存期間を5年と考えていても、課税事業者ならインボイスは7年になる点に注意してください。
雑所得の業務で収入300万円超の人
副業などで雑所得を生ずべき業務を行う人も、前々年分の業務の収入金額が300万円を超える場合は、領収書などの現金預金取引等関係書類を5年間保存する必要があります(令和4年以降)。副業の所得区分は副業は事業所得か雑所得かで解説しています。
電子データでの保存
- メール・ネットで受け取った領収書や請求書(電子取引)は、印刷して保存するのではなく、電子データのまま、検索できる状態で保存する必要があります
- 紙のレシートは、スマホやスキャナで読み取り、スキャナ保存の要件を満たして保存すれば、紙の原本を捨てられます
- 会計ソフトの帳簿は、電子帳簿保存法の要件を満たせばデータで保存できます
電子保存のルールは電子帳簿保存法の基本とレシートは必ず残さないといけない?スマホ撮影・スキャナ保存のルールで詳しく扱っています。
帳簿を保存していないとどうなるか
帳簿や領収書がないと、税務調査で経費を説明できず、経費が認められないことがあります。さらに、令和5年分の確定申告に対する修正申告等からは、税務調査で売上げに関する帳簿を保存していなかったことや、帳簿の売上げの記載が不十分だったことが把握された場合、過少申告加算税・無申告加算税の割合が5%または10%加重されることになりました(国税庁「記帳・帳簿等の保存制度」)。青色申告の場合は、帳簿書類の保存がないと青色申告の承認の取消しの対象にもなります。
領収書をなくしてしまった場合の対応はレシートをなくした・もらえなかったときはどうする?をご覧ください。
まとめ
- 青色申告は原則7年(前々年所得300万円以下なら領収書などは5年)、請求書・契約書などは5年
- 白色申告は帳簿7年・書類5年
- 期間は翌年3月15日の翌日から数える。2026年分の7年保存なら2034年3月15日まで
- 消費税の課税事業者はインボイスを7年保存。電子取引のデータはデータのまま保存する
- 帳簿がないと、経費の否認、加算税の加重、青色申告の取消しのリスクがある
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