税務調査の日程が決まると、次に気になるのは「当日は何をされるのか」「何日かかるのか」ということだと思います。
税務調査の流れには決まった台本があるわけではありませんが、初日は事業の聞き取りから始まり、帳簿や書類の確認へ進み、臨場が終わったあとに税務署での検討と結果の説明がある、というのが大まかな流れです。この記事では、当日の流れと、調査が終わるまでの日程を解説します。
- 初日は、あいさつと調査の趣旨の確認、事業の概要の聞き取りから始まり、帳簿・請求書・領収書・通帳の確認へと進むのが一般的
- 調査に何日かかるかは事前には分からない。臨場が複数回になるときは、調査開始後に日程を調整する
- 臨場のあとも、税務署での検討、追加資料の提出、取引先への確認(反面調査)が続くことがある
- 誤りがあれば結果の説明と修正申告の勧奨、なければ「更正決定等をすべきと認められない」旨の書面で終わる
調査の全体の流れ
| 段階 | 主な内容 | 根拠・参考 |
|---|---|---|
| 事前通知 | 日時・場所、目的、税目、期間、対象の書類などの通知 | 国税通則法第74条の9 |
| 臨場(初日) | 事業の概要の聞き取り、帳簿書類の確認 | 国税通則法第74条の2など |
| 臨場(2回目以降) | 疑問点の確認、追加の書類の確認 | FAQ問19 |
| 税務署での検討 | 預かった書類の確認、取引先への反面調査 | FAQ問10・問23 |
| 結果の説明 | 誤りの内容、金額、理由の説明 | 国税通則法第74条の11、FAQ問24 |
| 終了 | 修正申告(または更正)、または誤りがない旨の書面 | FAQ問25・問28 |
初日の流れ
始まり:あいさつと調査の確認
調査担当者が到着したら、身分証明書を確認し、調査の目的、税目、対象期間を改めて確認します。税理士に依頼している場合は、税理士も同席します。
事業の概要の聞き取り
最初は、事業の内容について聞かれるのが一般的です。たとえば次のようなことです。
- どんな事業をしているか、始めたきっかけ、主な取引先
- 売上はどのように決まり、どのように入金されるか(現金・振込・カード・プラットフォーム)
- 仕入れや外注の流れ、従業員や家族の関わり方
- 帳簿は誰がどのようにつけているか、お金の管理は誰がしているか
ふだんの仕事の話なので、知っていることを、知っている範囲で、ありのまま答えれば十分です。答え方の注意点は税務調査で言ってよいこと・言ってはいけないことで詳しく解説しています。
帳簿と書類の確認
聞き取りのあとは、帳簿や請求書、領収書、通帳などを確認します。帳簿が電子データの場合は、画面で見せる、印刷して渡す、データで渡すといった方法をとります(FAQ問5)。
確認の過程で、対象期間より前の帳簿書類を見せるよう求められることもあります。たとえば、減価償却費が正しいかを確かめるために、取得した年の書類を確認する場合です。これは対象期間の調査のために必要な範囲の確認であって、別の年の調査をしているわけではない、とされています(FAQ問9)。
法人の調査でも、社長個人の預金口座に事業との関係が疑われる場合は、その通帳を見せるよう求められることがあります(FAQ問7)。
書類の預かり(留置き)
書類が多い場合などには、税務署に持ち帰って確認したいと、帳簿書類の預かりを頼まれることがあります。預かりは納税者の承諾を得て行うもので、承諾なく強制的に預かられることはありません(FAQ問10)。預ける場合は、預かり証を受け取り、業務で使う書類は返してほしいと申し出ることができます(FAQ問11)。
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オンライン記帳・申告サポートを見る何日かかるのか
調査に要する時間や日数は、調査が始まってからの状況で変わるため、事前通知の時点で知らせることは難しいとされています(FAQ問19)。臨場が複数回になる場合は、調査が始まってから、納税者の都合を聞いて次回以降の日程を調整します。
日数を左右するのは、主に次のような点です。
- 事業の規模と取引の数
- 帳簿と証憑がすぐ出せる状態か
- 質問への回答や追加資料の提出が早いか
- 誤りが見つかり、ほかの年や税目にも広がるか
誤りが見つかり、それと同じ誤りが対象期間より前にもあると疑われる場合は、対象の期間や税目が追加されることがあります。その場合は、追加する税目や期間の説明を受けます(FAQ問32)。
日頃から帳簿と証憑を整理しておけば、聞かれたことにすぐ答えられ、調査は短く済みやすくなります。
臨場のあと:検討から終了まで
臨場が終わっても、すぐに結果が出るとは限りません。税務署で書類を検討し、必要に応じて追加の資料を求められたり、取引先に確認する反面調査が行われたりします。反面調査は、運用上、原則として取引先にあらかじめ連絡して行われます(FAQ問23)。
誤りがあった場合
誤りがあれば、どの項目にいくらの誤りがあるか、その理由が説明されます。説明は原則として口頭ですが、必要に応じて項目や金額を整理した資料が示されます(FAQ問24)。
そのうえで、修正申告をするよう勧められます(勧奨)。勧奨に応じるかどうかは任意で、応じなければ税務署が更正をします。応じなかったからといって、基本的に不利な扱いを受けることはありません。修正申告をした場合は不服申立てはできませんが、更正の請求はできます(FAQ問25・問26)。納得できない点は、修正申告の前に説明を求めましょう。
追加の税金と加算税・延滞税の目安は税務調査で最悪どうなる?で解説しています。
誤りがなかった場合
誤りがなければ、「更正決定等をすべきと認められない」旨の書面が届きます。その税目・期間について、新たな情報で誤りが見つかった場合などを除き、原則として再調査はありません(FAQ問28)。
まとめ
- 初日は、事業の概要の聞き取りから始まり、帳簿・証憑・通帳の確認へ進むのが一般的
- 書類の預かりは承諾が前提。預けるときは預かり証を受け取る
- 調査の日数は事前には分からない。臨場のあとも税務署での検討や反面調査が続くことがある
- 誤りがあれば結果の説明と修正申告の勧奨。勧奨に応じるかは任意で、納得できない点は説明を求める
- 誤りがなければ、誤りがない旨の書面で終わる
調査の連絡を受けた直後の準備は税務調査と言われたら、まず何をすればいい?、通帳の確認への備えは通帳の動きと税務調査でも解説しています。
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