ご相談の内容
個人事業主です。ガソリン代をクレジットカードで支払い、家事按分(事業用と私用の区分)をして記帳しています。カードの引き落とし時に、キャッシュバック分が差し引かれて引き落とされます。この場合、引き落とし時の仕訳はどうすればよいでしょうか。
- キャッシュバックは家事按分の割合で事業分と私用分に分ける
- 事業分は雑収入、私用分は事業主借で処理するのが整合的
- 消費税の一般課税なら、カード会社のキャッシュバックは不課税の雑収入とするのが合う
回答
仕訳例
例として、ガソリン代5,000円(事業分3,500円・私用分1,500円=7:3)をカードで支払い、引き落とし時に30円のキャッシュバックがあり4,970円が引き落とされた場合です。
支払い時
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 車両費 | 3,500 | 未払金 | 5,000 |
| 事業主貸 | 1,500 |
引き落とし時
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 未払金 | 5,000 | 普通預金 | 4,970 |
| 雑収入 | 21 | ||
| 事業主借 | 9 |
事業分は30円×3,500/5,000=21円、残りの9円が私用分です。
なぜ雑収入と事業主借に分けるのか
カード会社からのキャッシュバックは、ガソリンスタンドからの値引きではなく、カード会社から受ける経済的利益です。事業用の支払いに伴って受けた分は、事業に付随する収入として事業所得の収入金額に含めます(所得税法第27条、第36条)。私用の支払いに対応する分は事業の収入ではないため、事業主借(事業のお金と私的なお金の区分を示す科目)で処理します。
経費のマイナスにする方法と消費税
事業分を雑収入ではなく車両費のマイナス(貸方に車両費21円)とする方法もあり、所得の計算結果は同じです。ただし、消費税の課税事業者で一般課税(本則課税)を選んでいる場合は注意が必要です。
- カード会社からのキャッシュバックは、対価性のない収入として「不課税」(消費税の対象外)と扱うのが一般的
- そのため、車両費(課税仕入れ)を減額せず、雑収入(不課税)で処理するほうが消費税の計算と整合する
注意したいポイント
- 販売店のカードの場合:ガソリンスタンド自身が発行するカードで、販売店からの値引きとして扱われているものであれば、車両費の値引き(仕入れに係る対価の返還等)として処理する余地があります
- 免税事業者・簡易課税の場合:この区分による消費税額への影響は基本的にありません
- まとめて処理する方法:毎回の按分が煩雑であれば、期中は分けずに処理し、年間のキャッシュバック合計を家事按分の割合で年末にまとめて振り分ける方法も実務上考えられます。いずれの方法でも、毎年同じ方法を継続することが大切です
口座間の資金移動の記帳は事業用と個人の口座間の資金移動、仕訳はどうする?、ポイントの扱いは決済アプリのポイント運用、雑所得の計算もご覧ください。
まとめ
- キャッシュバックは家事按分の割合で分け、事業分は雑収入、私用分は事業主借にする
- 経費のマイナスにしても所得は同じだが、一般課税なら不課税の雑収入とするほうが整合する
- 年末にまとめて振り分ける方法もある。どの方法でも毎年継続する
この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。
