所得税・確定申告

昔、配偶者控除の範囲を超えていたかも。10年近く前の分は追徴される?

ご相談の内容

10年近く前、配偶者の扶養の範囲でパートをしながら、別に少額の副収入を得ていました。確定申告はしておらず、配偶者の勤務先でも配偶者控除を受けたままでした。今になって心配になり、自分や配偶者が亡くなったときに税務調査が入り、当時の税金を請求されないかと不安です。

結論
  • 税務署が税額を決め直せる期間は、原則として申告期限から5年、不正があっても7年が上限
  • この期間を過ぎた年分は、今から修正や新たな課税はできない
  • 亡くなった後に、その年分の税金をさかのぼって請求されることもない

回答

1. 課税できる期間には上限がある

税務署が税額を決め直せる期間を除斥期間といいます。国税通則法第70条により、原則として法定申告期限から5年で、偽りその他不正の行為(意図的な所得隠しなど)がある場合でも7年が上限です。

たとえば2016年分の申告期限は2017年3月15日でしたので、7年でみても2024年3月に期間が過ぎています。住民税も地方税法第17条の5で同様の期間制限が定められています。

2. 当時の取扱いはどうだったか

項目当時の取扱い
本人の所得税勤務先が1か所で年末調整を受けており、給与以外の所得が20万円以下なら確定申告は不要(所得税法第121条)
本人の住民税所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告は別途必要
配偶者控除給与と副収入を合わせた合計所得金額が38万円以下であることが要件

ここでいう「所得」は、収入から経費を引いた後の金額です。

合計所得金額が38万円を超えていた年は、本来は配偶者控除ではなく配偶者特別控除(控除額が段階的に小さくなる控除)の対象で、配偶者の税額がいくらか少なく計算されていた可能性があります。ただ、この点も上記の期間制限によってすでに確定しています。

3. 亡くなった後の税務調査

ご家族が亡くなった際に相続税の税務調査が行われることはありますが、その対象は主に相続財産です。期限を過ぎた過去の所得税を理由に追徴されることはありません。

注意したいポイント

  • 期間内の年分は別:5年または7年を過ぎていない年分は、この記事の結論とは異なります。心当たりがあれば、早めに確認してください
  • これからの副収入:パートとは別に副収入がある場合、合計所得金額によって扶養や配偶者控除の可否が変わります。年末調整の際に副収入分も含めて申告すると安心です

副業の申告義務そのものについては昔の少額の副業を申告していない。5年より前の分や死後の税務調査はどうなる?、期限の考え方については修正申告と更正の請求もご覧ください。

まとめ

  • 税額を決め直せる期間は申告期限から原則5年、不正があっても7年が上限で、住民税にも同様の制限がある
  • 期間を過ぎた年分は、亡くなった後にさかのぼって請求されることもない
  • 今後の副収入は、合計所得金額に含めて年末調整で申告しておくと安心

この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。

よくある質問

住民税も、さかのぼって課税されることはありますか?
住民税にも地方税法第17条の5で同様の期間制限が定められています。期間を過ぎた年分は、新たに課税されることはありません。
家族が亡くなると、税務調査で過去の所得税まで調べられますか?
相続税の税務調査が行われることはありますが、対象は主に相続財産です。期限を過ぎた過去の所得税を理由に追徴されることはありません。

※本記事は2026年11月1日時点の法令・制度に基づく一般的な解説です。個別の状況により結論が異なるため、実行前に専門家へご相談ください。
※本記事の無断転載・複製、商用目的での利用はお断りします。引用の際は、出典(税理士法人クレフティ・記事URL)を明記してください。

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