所得税・確定申告

期限後申告の年分を修正申告、青色申告特別控除65万円は10万円に直す?加算税は?

ご相談の内容

青色申告の個人事業主です。過去のある年分の確定申告を期限に間に合わず、期限後に自分で提出しました。その申告では青色申告特別控除65万円を適用しています。帳簿を見直したところ所得が増えることが分かったので、税務署から連絡が来る前に修正申告をするつもりです。控除は10万円に直す必要がありますか。また、加算税はどのくらいかかりますか。

結論
  • 青色申告特別控除は10万円に直して修正申告するのがよいと考えられる
  • 増えた税額にかかるのは過少申告加算税ではなく無申告加算税
  • 調査の通知を受ける前の自主的な修正申告なら、割合は原則5%

回答

1. 控除額を直す理由

青色申告特別控除の55万円・65万円は、確定申告書を法定申告期限内に提出することが要件です(租税特別措置法第25条の2第3項・第4項、国税庁タックスアンサーNo.2072)。期限後申告の年分は、e-Taxで提出していても10万円の控除しか受けられません。

そのため修正申告では、帳簿の見直しで増えた所得に加え、控除の差額55万円も所得に加えて計算することになります。なお、10万円の控除は、青色申告者であれば期限後申告でも受けられます。

2. どの加算税がかかるか

過少申告加算税(期限内に申告した後、税額が少なかった場合の加算税)は、期限内申告があることが前提です(国税通則法第65条)。期限後申告をした年分の修正申告で増えた税額には、無申告加算税がかかります(国税通則法第66条第1項)。

修正申告の時期無申告加算税の割合
調査の事前通知を受ける前(調査を予知していない)5%(国税通則法第66条6項)
事前通知の後10%(一定額を超える部分は15%)
調査を受けた後さらに高い割合

3. 加算税の計算

加算税は、増えた税額の1万円未満を切り捨てた額に割合を掛けて計算し、計算結果が5,000円未満であれば課されません(国税通則法第119条4項)。

注意したいポイント

  • もとの期限後申告の加算税:期限後申告そのものも、本来は5%の無申告加算税の対象です。通知が届いていないのは、法定申告期限から1か月以内に自主的に申告していること、税額が少額で課されなかったこと、期限後申告に係る所得税の全額を法定納期限までに納付していることなどが考えられます
  • 延滞税:増えた税額には、加算税とは別に延滞税(納付が遅れた日数に応じてかかる利息のようなもの)がかかります(国税通則法第60条)
  • 住民税・事業税:所得税の修正に連動して、住民税や事業税(課税対象の業種の場合)も見直されます

早めに修正申告と納付を済ませることで、延滞税の負担を抑えられます。

修正申告の関連では修正申告で入れ忘れた社会保険料控除は追加できる?、加算税の全体像は過少申告加算税・重加算税・延滞税とはもご覧ください。

まとめ

  • 期限後申告の年分の青色申告特別控除は最高10万円で、修正申告では差額も所得に加える
  • 増えた税額には無申告加算税がかかり、調査の通知前の自主的な修正なら原則5%
  • 延滞税、住民税、事業税も見直されるため、早めに修正申告と納付を済ませる

この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。

よくある質問

e-Taxで提出していれば、期限後でも65万円の控除を受けられますか?
受けられません。55万円・65万円の控除は確定申告書を法定申告期限内に提出することが要件で、期限後申告の年分はe-Taxで提出していても10万円の控除になります。
加算税が少額なら、かからないことはありますか?
加算税は増えた税額の1万円未満を切り捨てた額に割合を掛けて計算し、計算結果が5,000円未満であれば課されません(国税通則法第119条4項)。

※本記事は2026年10月31日時点の法令・制度に基づく一般的な解説です。個別の状況により結論が異なるため、実行前に専門家へご相談ください。
※本記事の無断転載・複製、商用目的での利用はお断りします。引用の際は、出典(税理士法人クレフティ・記事URL)を明記してください。

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