ご相談の内容
スマホ決済アプリのポイント運用サービスを使っていて、提供元から「運用の損益は、引き出して通常のポイントに交換した時点で確定する」「利益は雑所得になる」と案内を受けた、というご相談です。そのうえで、①課税されるのは引き出した時点か、②今年引き出す場合に「引き出したポイント総額−運用に追加したポイントの累計額」を今年分の雑所得として申告してよいか、③過去に追加した分もまとめて差し引いてよいか、を確認したいという内容でした。
- ポイント運用の利益は雑所得で、引き出して交換した時点で課税対象になると考えられる
- 全額を引き出すなら「引き出した総額−追加した累計額」を、引き出した年の雑所得として申告してよい
- 一部だけ引き出す場合は、元手を引き出した割合で按分するなど、合理的な方法で計算する
回答
① 課税されるのは引き出した時点
ポイント運用の利益は、所得税法35条の雑所得(給与や事業などの他の所得に当たらない所得)に該当します。
収入として計上する時期は、所得税法36条の「収入すべき金額」の考え方により、利益が確定する時点です。運用中の評価額は日々変動するだけで、確定した利益ではありません。そのため、提供元の案内どおり、引き出して通常のポイントに交換した時点で課税対象になると考えるのが自然です。
② 全額を引き出す場合の計算
雑所得の金額は「総収入金額−必要経費」で計算します(所得税法35条2項、国税庁タックスアンサーNo.1500)。運用に追加したポイントは、いわば元手に当たります。
| 項目 | ポイント数(例) |
|---|---|
| 引き出したポイント総額 | 3万ポイント |
| 運用に追加したポイントの累計額 | 2万ポイント |
| 雑所得の金額 | 1万円相当(1ポイント=1円の場合) |
全額を引き出す場合は、この差額を引き出した年の雑所得として申告する方法で問題ないと考えられます。
③ 過去に追加した分もまとめて差し引く
元手を追加した年と引き出した年が違っても、利益が確定した年にまとめて計算します。過去の年に追加したポイントの累計額も、引き出した年の計算で差し引くことになります。
一方、一部だけを引き出す場合は、元手の累計額を全額差し引くのではなく、引き出した割合に応じて元手を按分する(割り振る)といった合理的な方法で計算する必要があると考えられます。
注意したいポイント
- 20万円以下の申告不要:給与所得者で、給与以外の所得の合計が20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要です(所得税法121条1項)。ただし、この場合でも住民税の申告は別途必要です。医療費控除などで確定申告をする場合は、20万円以下でも雑所得を含めて申告します。
- 損失は他の所得と相殺できない:運用で損失が出ても、給与所得など他の所得と相殺(損益通算)することはできません(所得税法69条)。
- キャンペーンでもらったポイント:追加したポイントがキャンペーンなどで無償で取得したものの場合、元手として扱えるか、取得時に一時所得などの課税対象になるかは、取得の経緯によって扱いが変わる可能性があります。
ポイントをもらったときの課税の考え方は、紹介プログラムでもらったポイントは確定申告が必要?でも解説しています。20万円以下の副収入と申告の関係は、自分で確定申告するなら年末調整は不要?副業20万円以下でもe-Taxで申告できる?をご覧ください。
まとめ
- ポイント運用の利益は雑所得で、引き出して交換した時点で課税対象になる
- 全額引き出しなら「引き出した総額−追加した累計額」、一部引き出しなら元手を按分して計算する
- 20万円以下でも住民税の申告は必要。損失は他の所得と相殺できず、キャンペーン分のポイントの扱いにも注意
この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。
