「ガソリン代の勘定科目は?」「車検の費用はまとめて経費でいい?」「自動車税に消費税はかかる?」。車の維持費は種類が多く、記帳の仕方で迷いやすい費用です。
この記事では、車の維持費の勘定科目と消費税の区分を一覧にまとめます。勘定科目は会社や事務所によって使い方が少し違いますが、毎年同じ科目を使い続けることが大切です。消費税の区分は、課税事業者(本則課税)の方は特に注意してください。
- ガソリン・高速・コインパーキングは旅費交通費か車両費、月極駐車場は地代家賃、車検の整備費は修繕費
- 自動車税・重量税・印紙代は租税公課、自賠責・任意保険は保険料。いずれも消費税の対象外
- 月極駐車場は、舗装や区画など設備があれば課税、設備のない更地なら非課税
- 個人事業主は、私用にも使う車の維持費を仕事に使う割合で按分する。罰金・反則金は経費にならない
維持費の勘定科目と消費税の一覧
代表的な車の維持費を、勘定科目と消費税の区分で整理します。
| 費用 | 勘定科目の例 | 消費税の区分 |
|---|---|---|
| ガソリン代 | 車両費・旅費交通費 | 課税(10%) |
| 軽油代 | 車両費・旅費交通費 | 課税。ただし軽油引取税が区分して表示されていればその部分は不課税 |
| 高速道路の料金 | 旅費交通費 | 課税 |
| コインパーキング代 | 旅費交通費 | 課税 |
| 月極駐車場代 | 地代家賃 | 設備があれば課税、設備のない更地の貸付けは非課税 |
| 車検の整備費用・代行手数料 | 修繕費(または車両費) | 課税 |
| 自賠責保険料 | 保険料 | 非課税 |
| 任意保険(自動車保険)料 | 保険料 | 非課税 |
| 自動車重量税・検査登録の印紙代 | 租税公課 | 不課税 |
| 自動車税(種別割)・軽自動車税 | 租税公課 | 不課税 |
| 修理代・タイヤ交換・オイル交換 | 修繕費・消耗品費 | 課税 |
| 洗車代 | 車両費・雑費 | 課税 |
| 罰金・交通反則金 | 経費にならない | - |
「車両費」という科目にまとめる会社もあれば、旅費交通費・修繕費・租税公課と分ける会社もあります。どちらでも構いませんが、消費税の区分(課税・非課税・不課税)は、科目にかかわらず正しく分ける必要があります。
ガソリン代・高速代・駐車場代
ガソリン代
ガソリン代は、車両費や旅費交通費で処理します。ガソリンの価格には揮発油税などが含まれていますが、消費税は全体にかかるので、レシートの金額のまま課税仕入れとして処理します。
軽油は、レシートに軽油引取税が区分して表示されていれば、その部分は消費税の対象外(不課税)です。
ガソリンスタンドのレシートは、通常インボイス(簡易インボイス)の要件を満たしています。給油カードでまとめて払う場合は、カード会社から届く請求書や利用明細がインボイスに当たるかを確認します。
高速道路の料金
高速道路の料金は旅費交通費で処理します。ETCで払った場合、クレジットカードの明細だけではインボイスになりません。高速道路会社のETC利用照会サービスなどで、利用証明書を取得して保存しておきます。
駐車場代
月極駐車場は地代家賃、出先のコインパーキングは旅費交通費で処理するのが一般的です。
月極駐車場の消費税は、駐車場の状態で変わります。消費税法基本通達6-1-5では、駐車場として土地を使わせる場合でも、地面の整備やフェンス・区画・建物の設置などをしていないとき(車の管理をしている場合を除く)は、土地の貸付けとして非課税とされています。逆に、舗装や区画線などの設備がある一般的な月極駐車場は課税です。請求書に消費税が記載されているかを確認しましょう。
車検・税金・保険
車検の費用は中身を分ける
車検の費用には、性質の違うものが混ざっています。
- 法定費用:自賠責保険料(保険料・非課税)、自動車重量税(租税公課・不課税)、検査登録の印紙代(租税公課・不課税)
- 整備費用・代行手数料:修繕費(課税)
明細を見ずに全額を課税仕入れで処理すると、消費税の仕入税額控除が多すぎることになります。車検の見積書・請求書の内訳で分けて記帳します。
自動車税・軽自動車税
毎年5月ごろに納付する自動車税(種別割)や軽自動車税(種別割)は、租税公課で処理します。消費税はかかりません(不課税)。
保険料
自賠責保険料と任意の自動車保険料は、保険料で処理します。消費税は非課税です。1年分を前払いした保険料は、決算をまたぐ場合、翌期の分を前払費用にするのが原則ですが、毎年継続して支払時に経費にしている場合は、短期前払費用として支払時の経費にできる取扱いがあります(短期前払費用の特例)。
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オンライン記帳・申告サポートを見る個人事業主は「仕事の割合」で按分する
個人事業主で、私用にも使う車の維持費は、減価償却費と同じ割合で按分します(個人事業主が車を買ったら:経費にできる割合と家事按分)。
- 毎回の支払いは全額を記帳し、決算で「事業主貸」に振り替えて按分する方法が簡単です
- 高速代やコインパーキング代のように、仕事の移動だけで使ったことが明らかなものは、按分せずに全額を経費にできます
- ガソリン代は、仕事と私用が混ざるので、走行距離などの割合で按分します
法人の社用車は按分しませんが、社長や家族が私的に使った分の費用は、役員給与(経済的利益)とされるおそれがあります(法人で車を買ったら:全額経費になる?私的利用の注意点)。
買ったときの費用とリサイクル料金
車を買ったときにも、維持費と同じような費用が請求書に並びます。
- リサイクル料金:預託金として資産に計上します(車を売ったり廃車にしたりするまで経費になりません)。資金管理料金は経費です
- 自動車税(種別割)の月割り分、環境性能割、自動車重量税、自賠責保険料:取得価額に入れずに経費(租税公課・保険料)にできるものがあります
- 納車費用・登録の代行手数料:取得価額に含めるか、経費にするかは費用の内容によります
詳しくは、車の購入時の処理を説明した個人事業主が車を買ったらをご覧ください。
罰金・反則金は経費にならない
業務中の駐車違反やスピード違反でも、罰金や交通反則金は経費になりません(法人税法55条、所得税法45条)。会社が社長や従業員の反則金を払った場合も損金にならず、本人への給与とされることがあります。
まとめ
- ガソリン・高速・コインパーキングは旅費交通費か車両費、月極駐車場は地代家賃、車検の整備費は修繕費
- 自動車税・重量税・印紙代は租税公課、自賠責・任意保険は保険料で、消費税の対象外
- 車検の費用は法定費用と整備費用に分ける。月極駐車場は設備の有無で課税・非課税が変わる
- 個人事業主は仕事の割合で按分。罰金・反則金は経費にならない
電車やバスの交通費はSuicaなど交通系ICのチャージはどう処理する?、タクシー代はタクシー代の記録は必要?で説明しています。
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