ご相談の内容
個人事業を営む夫の両親(どちらも70歳以上で、収入は年金のみ)と別居しています。今年は生活費として、不定期に現金を手渡ししていました。この場合でも、夫の確定申告で両親を扶養控除の対象にできるでしょうか。
- 別居でも、継続的に生活費を援助していれば扶養控除を受けられる
- それぞれの合計所得金額が58万円以下(年金のみなら年金収入168万円以下)が基準
- 70歳以上の別居の親は1人48万円の控除。手渡しは記録を残し、今後は振込がおすすめ
※令和7年分(令和8年に申告する分)を前提にしています。
回答
別居でも「生計を一にする」と扱われる
扶養控除の対象は「生計を一にする」(家計が同じ)親族です。所得税基本通達2-47では、別居していても常に生活費などの送金が行われている場合は、生計を一にするものとして扱うとされています。
毎月定額である必要はなく、援助が継続し、ご両親の生活を支えている実態があるかで判断されます。不定期の現金手渡しというだけで、直ちに対象外になるわけではありません。
所得の基準
基準は、合計所得金額(収入から必要経費などを引いた額)が58万円以下です。
- 65歳以上で収入が公的年金のみの場合、公的年金等控除110万円を差し引くため、年金収入が年168万円以下であれば基準を満たす
- 非課税の遺族年金・障害年金は収入に含めない
控除額
| 扶養親族の区分 | 控除額 |
|---|---|
| 70歳以上(12月31日時点)・同居していない親 | 1人48万円 |
| 2人とも該当する場合 | 合計96万円 |
(国税庁タックスアンサーNo.1180)
注意したいポイント
- 記録を残す:手渡しは記録が残らないため、渡した日と金額のメモを残し、今後は口座振込にすると安心です
- 重複して控除できない:1人の方を複数の人が扶養控除の対象にすることはできません。他のご兄弟がすでにご両親を扶養に入れている場合は、どなたが控除するか調整が必要です
- 年金の源泉徴収との関係:お母様がお父様の年金の源泉徴収で、配偶者控除の対象(源泉控除対象配偶者)とされている場合も調整が必要です。お父様の年金額によっては、お父様のみを扶養に入れるという判断になることもあります
- まず確認すること:ご両親それぞれの年金額と、現在の申告の状況を確認しましょう
扶養と所得の関係は施設に入所した妻の配偶者控除・医療費控除、夫はいくら負担すれば受けられる?もご覧ください。
まとめ
- 別居の両親でも、継続的な生活費の援助があれば扶養控除の対象になり得る
- 基準は合計所得金額58万円以下。年金のみなら年金収入168万円以下が目安
- 手渡しの記録を残し、兄弟や親自身の申告で重複していないか確認する
この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。
