ご相談の内容
20年以上前に自分で遊ぶために買ったゲーム機器を、もう使わなくなったので少しずつフリマアプリで売りたいと考えています。1点あたり数万円から十数万円ほどで、年間の売却額は20万円を超えるかもしれません。買ったときの金額はもう分かりません。確定申告は必要でしょうか。
- 自分で使うために買った物を、不要になって売るなら、原則として所得税はかからず確定申告は不要
- 年間の売却額が20万円を超えても同じ
- 非課税なら買値の計算は不要で、課税対象となる場合でも売却額の5%を取得費にできる
回答
1. なぜ非課税なのか
家具や衣類など、日常生活で使う家財を生活用動産といいます。これを売って得た所得は、所得税法第9条第1項第9号により非課税とされています。
非課税から除外されているのは、所得税法施行令第25条に定める貴金属、宝石、書画、骨とう、美術工芸品などで、1個または1組の価額が30万円を超えるものに限られます。1点の価額が十数万円程度であれば、仮にコレクション性のある品として見られたとしても、この30万円の基準を下回ります。国税庁タックスアンサーNo.3105「譲渡所得の対象となる資産と課税方法」でも同じ考え方が示されています。
2. 「20万円ルール」との関係
会社員の「給与以外の所得が20万円以下なら申告不要」というルール(タックスアンサーNo.1900)は、課税される所得についての基準です。非課税の所得は、この20万円の計算に含めません。
3. 買値が分からないとき
| 状況 | 買値の扱い |
|---|---|
| 非課税の場合 | 取得費(購入時の金額)を計算する必要はない |
| 課税対象となる場合 | 売却金額の5%を取得費とみなす方法が使える(所得税基本通達38-16) |
注意したいポイント
- 利益目的の売買は別:売却益を得る目的で買い集めては売る、という形で継続的に取引している場合は、生活用動産の売却とはみなされず、雑所得や事業所得として課税される可能性があります
- セット売り:複数点をセットで売る場合、30万円の判定は「1組」の価額で行います。セットの価額が30万円を超え、かつ骨とう等に当たる場合は、課税対象となる余地があります
- 損失は相殺できない:生活用動産の売却で損失が出ても、ほかの所得と相殺(損益通算)はできません(所得税法第9条第2項)
念のため、売却時の取引履歴は保存しておくと安心です。
身の回りの物の売却についてはフリマアプリで子ども服やおもちゃを売って20万円超、確定申告は必要?、住民税の申告が気になる方は親が昔買ったおもちゃのコレクションをフリマで売ったら住民税の申告は必要?もご覧ください。
まとめ
- 自分で使うために買った物の売却は、年間20万円を超えても原則非課税で確定申告は不要
- 1個または1組が30万円を超える骨とう等や、利益目的の継続的な売買は別に考える
- 買値が不明でも非課税なら問題なく、取引履歴は保存しておく
この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。
