相続・贈与

子どもの保険、契約者は妻で引き落としは夫。贈与税はかかる?解約したときは?

ご相談の内容

子どもを被保険者とする月千円程度の保険に入っていて、契約者は妻、掛金の引き落としは夫の口座、年に千円台の割戻金も夫の口座に入っていた、というご相談です。満期金はなく、保険はすでに解約しています。契約者と引き落とし口座の名義が違っていたことで、贈与などの税金の問題がないかを心配されていました。

結論
  • お書きの内容であれば、贈与税も所得税もかからず、特別な手続きも必要ないと考えられる
  • 掛金を払った時点では贈与にならない。負担していない人がお金を受け取ったときに初めて贈与とみなされる
  • 解約返戻金があった場合は受け取った人で扱いが変わるが、この規模の金額なら課税されない

回答

掛金を払った時点では贈与にならない

保険の税金は、契約者の名義ではなく「実際に誰が保険料を負担したか」で判断します。契約者と保険料を払った人が違っても、毎月の保険料を払った時点では贈与とは扱われません。保険料を負担していない人が保険金や解約返戻金(解約時に戻るお金)を受け取ったときに、初めて贈与とみなされます(相続税法第5条)。

満期金がなく、受け取ったお金が割戻金だけであれば、贈与税の対象となるお金の受け取り自体がないことになります。

仮に贈与とみる余地があったとしても、夫婦間で家族の生活のために通常必要な費用を負担することは非課税とされています(相続税法第21条の3第1項第2号)。さらに贈与税には年110万円の基礎控除があり(相続税法第21条の5、租税特別措置法第70条の2の4)、月千円程度の掛金はこれを大きく下回ります。

年1回の割戻金

割戻金は、払いすぎた掛金の払い戻しという性格のものです。契約継続中に受け取る分は、通常、所得として課税されません。今回は掛金を負担した夫の口座に入っているため、贈与の問題も生じません。夫の所得として申告する必要もありません。

解約したとき

子ども向けの保険や共済は、解約返戻金がない、またはごく少額のものが多いです。掛け捨てタイプで解約時の戻りがなかった(またはごく少額だった)のであれば、課税関係は生じません。

解約返戻金を受け取っていた場合は、受け取った人によって扱いが変わります。

受け取った人扱い
掛金を払った夫一時所得(所得税法第34条)。50万円の特別控除があり、他に一時所得がなければ課税されない
妻や子ども夫からの贈与とみなされる。基礎控除の範囲内なら贈与税の申告も納税も不要

入院やけがの給付金

子どもの入院やけがで給付金を受け取ったことがある場合も、病気やけがによる給付金(死亡を伴わないもの)は相続税法第5条のみなし贈与の対象から外れています。また、所得税も非課税です(所得税法施行令第30条)。

注意したいポイント

  • 生命保険料控除は負担した人が受ける:夫が年末調整などで控除を受けていても問題ありません。この控除は実際に保険料を払った人が受けるものです(所得税法第76条、タックスアンサーNo.1140)。子どもが受取人の保険であれば、夫が受けられます。
  • 控除の対象額は割戻金を差し引いた金額:掛金から割戻金を差し引いた金額が控除の対象になります。今後同じような契約をする場合は、この点だけ気をつければ十分です。
  • 名義が分かれている契約は珍しくない:契約者・被保険者・掛金の支払者が分かれていること自体が問題になるわけではありません。

保険料を親が負担する場合の考え方は子どもの医療保険の保険料を親が払うと贈与?、保険料控除を受ける人については夫の口座から引き落としの生命保険のQ&Aもご覧ください。

まとめ

  • 契約者と引き落とし口座が違っても、掛金を払った時点では贈与にならない
  • 割戻金は掛金の払い戻しで、負担した人の口座に入っていれば贈与も所得税の問題もない
  • 解約返戻金は受け取った人で扱いが変わるが、この規模の金額なら課税も手続きも不要と考えられる

この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。

よくある質問

契約者は妻で、掛金は夫の口座から引き落とされていました。贈与になりますか?
掛金を払った時点では贈与にはなりません。保険の税金は名義ではなく実際に誰が負担したかで判断し、負担していない人が保険金や解約返戻金を受け取ったときに初めて贈与とみなされます(相続税法第5条)。
解約して返戻金を受け取ったら、税金はかかりますか?
掛金を払った夫が受け取った場合は一時所得で、50万円の特別控除があるため、他に一時所得がなければ課税されません。妻や子が受け取った場合は夫からの贈与とみなされますが、年110万円の基礎控除の範囲内であれば贈与税の申告も納税も不要です。

※本記事は2026年10月27日時点の法令・制度に基づく一般的な解説です。個別の状況により結論が異なるため、実行前に専門家へご相談ください。
※本記事の無断転載・複製、商用目的での利用はお断りします。引用の際は、出典(税理士法人クレフティ・記事URL)を明記してください。

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