法人税・会社の経理

設立1年目に創立費を全額償却、2年目の決算で必要な仕訳や別表はある?

ご相談の内容

会社の設立費用を役員が立て替えて支払いました。1年目の決算で、創立費の全額を「創立費償却」として費用にし、別表十六(六)も提出しています。2年目に役員へ立替金を返済しましたが、2年目の決算で創立費について必要な仕訳や書類はあるのか、というご相談です。

結論
  • 1年目に全額を償却して費用計上していれば、2年目に創立費の仕訳や別表は不要
  • 役員への返済の仕訳(役員借入金/普通預金)はそのままで問題ない
  • 1年目の別表十六(六)の帳簿価額欄と、借入金の内訳書の記載は念のため確認する

回答

創立費は任意に償却できる

創立費は、税務上「繰延資産」(支出の効果が将来に及ぶため資産計上できる費用)とされています(法人税法第2条第24号、法人税法施行令第14条第1項第1号)。償却限度額はその帳簿価額とされているため、いつ・いくら償却するかを法人が任意に決められます(法人税法第32条、法人税法施行令第64条第1項第1号)。

2年目は何もしなくてよい

1年目に全額を償却して決算で費用計上(損金経理)していれば、2年目期首の創立費の帳簿価額はゼロです。2年目に償却する金額がないため、別表十六(六)の添付(法人税法施行令第67条)も不要です。

年度仕訳別表十六(六)
1年目創立費償却/創立費(全額)添付する
2年目役員借入金/普通預金(返済のみ)不要

注意したいポイント

  • 1年目の別表の記入:別表十六(六)Ⅱで当期償却額の欄に全額を記入していれば、「期末現在の帳簿価額」は0円となるのが通常です。支出額と同じ金額を記入している場合は、記入欄の誤りの可能性があります。ただし、決算書で全額を費用計上している限り、所得金額や税額には影響しないと考えられます
  • 勘定科目内訳明細書:1年目の期末に役員借入金が残っていたのであれば、1年目の「借入金及び支払利子の内訳書」に役員からの借入金として記載するのが本来の扱いです。2年目は期中に全額を返済しているため、期末残高はゼロとなり記載は不要です

法人の開業費の扱いは法人の開業費は繰延資産?全額を経費にできる?もご覧ください。

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まとめ

  • 創立費は任意償却で、1年目に全額を償却すれば2年目の仕訳・別表は不要
  • 役員への立替金の返済は、役員借入金を減らす仕訳だけでよい
  • 1年目の別表の帳簿価額欄と、借入金の内訳書の記載を確認しておく

この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。

よくある質問

創立費は何年かけて償却するのですか?
税務上の償却限度額は帳簿価額とされているため、いつ・いくら償却するかを法人が任意に決められます(法人税法施行令第64条第1項第1号)。1年目に全額を償却することもできます。
1年目の別表十六(六)で、期末の帳簿価額を支出額と同じにしてしまいました。
当期償却額に全額を記入していれば、期末現在の帳簿価額は0円になるのが通常で、記入欄の誤りの可能性があります。ただし決算書で全額を費用計上している限り、所得金額や税額には影響しないと考えられます。

※本記事は2026年11月4日時点の法令・制度に基づく一般的な解説です。個別の状況により結論が異なるため、実行前に専門家へご相談ください。
※本記事の無断転載・複製、商用目的での利用はお断りします。引用の際は、出典(税理士法人クレフティ・記事URL)を明記してください。

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