所得税・確定申告

開業届の開業日が実際より後になっている、今年分から青色申告と65万円控除は受けられる?

ご相談の内容

前年から個人で事業をしており、前年分の確定申告も済ませています。開業届と青色申告承認申請書をe-Taxで出しましたが、書類に書いた開業日が実際に事業を始めた時期より数か月後になっています。この場合、今年分の青色申告や65万円控除はどう扱われるのか、通知がないまま2か月たてば承認とみなされるのか、どう対応すべきかを知りたいというご相談です。

結論
  • 青色申告の適用年は、書類上の開業日ではなく実際の事業開始時期と申請書の提出日で判断される
  • 前年から事業をしていれば、今年分の申請期限は今年の3月15日。過ぎていれば原則として翌年分から
  • みなし承認は「提出から2か月」ではなく、原則その年の12月31日まで通知がない場合

回答

申請書の提出期限

青色申告承認申請書の提出期限は、原則としてその年の3月15日までです(所得税法第144条)。開始日から2か月以内でよいのは、その年の1月16日以後に新たに業務を始めた場合に限られます。

状況今年分から青色にするための期限
前年以前から事業をしている今年の3月15日
今年1月16日以後に新たに開業した開業日から2か月以内

前年から事業をしている方は「新たに開始」に当たりません。書類上の開業日から2か月以内に出していても、3月15日を過ぎていれば今年分には間に合っていないと考えられます。65万円控除(青色申告特別控除、租税特別措置法第25条の2)は青色申告の承認が前提のため、今年分が白色申告となれば適用できません。

みなし承認の時期

みなし承認(通知がなくても承認されたとみなす制度、所得税法第147条)は、原則としてその年の12月31日までに通知がなければ承認とみなされるものです。ただし、期限後に提出した申請は、今年分ではなく翌年分以後の申請として扱われるのが一般的です。

確認と対応

まず、e-Taxの受信通知などで、申請書の提出日と「○年分以後」の記載を確認してください。

  • 今年の3月15日以前に提出していた場合:開業日のずれが青色申告の効力に大きく影響することは通常ないと考えられます。必要に応じて、正しい日付で開業届を出し直すか、記載の訂正方法を所轄の税務署に確認するとよいでしょう
  • 3月15日より後に提出していた場合:今年分は白色申告とし、来年分から青色申告とする前提で準備するのが安全です

注意したいポイント

  • 申請が翌年分として扱われているか分からない場合は、来年3月15日までに申請書を改めて提出することも検討してください
  • 65万円控除には、複式簿記での記帳、貸借対照表の添付、期限内申告に加え、e-Taxでの申告または優良な電子帳簿保存といった要件があります

開業時の手続きは作家デビューが決まったら、税金は何から始める?、開業日の考え方はSNS副業の開業日はいつにする?もご覧ください。

まとめ

  • 青色申告の適用年は、実際の事業開始時期と申請書の提出日で決まる
  • 前年から事業をしていれば期限は3月15日。過ぎていれば今年分は白色申告になる
  • 提出日と「○年分以後」の記載を確認し、必要なら来年分に向けて申請書を出し直す

この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。

よくある質問

申請書を出して2か月たっても通知がなければ、承認されたことになりますか?
なりません。通知がなくても承認とみなされるのは、原則としてその年の12月31日までに通知がなかった場合です(所得税法第147条)。期限後に出した申請は、翌年分以後の申請として扱われるのが一般的です。
今年分に間に合わなかった場合、どうすればよいですか?
今年分は白色申告とし、来年分から青色申告とする前提で準備するのが安全です。申請が翌年分として扱われているか不明なら、来年3月15日までに申請書を改めて提出することも検討してください。

※本記事は2026年11月4日時点の法令・制度に基づく一般的な解説です。個別の状況により結論が異なるため、実行前に専門家へご相談ください。
※本記事の無断転載・複製、商用目的での利用はお断りします。引用の際は、出典(税理士法人クレフティ・記事URL)を明記してください。

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