ご相談の内容
妻がフリーランスで開業しており、翌年から青色申告ができる予定です。私は療養のため仕事を離れていましたが、回復してきたため、子どもの保育園の利用要件を満たすためにも、すぐに妻の仕事を手伝いたいと考えています。将来は青色事業専従者になりたいのですが、「6か月の労働期間が必要」と聞きました。専従者になるまでの6か月は無給で働くのが無難でしょうか。
- 青色事業専従者になる前に6か月間無給で働く必要はない
- 6か月は「下積み期間」ではなく、その年の中で6か月超、専ら事業に従事するという要件
- 白色申告の年は、給与を払っても払わなくても税額は変わらない
回答
「6か月」の意味
青色事業専従者給与(所得税法第57条第1項、同法施行令第165条)は、その年を通じて6か月を超えて専ら事業に従事することが要件です。事前に6か月働くという意味ではありません。
青色申告を始める年に年間を通じて働けば要件を満たし、1月分の給与から経費にできます。ただし、「青色事業専従者給与に関する届出書」を原則としてその年の3月15日までに提出し、届け出た金額の範囲内で実際に支払う必要があります(国税庁タックスアンサーNo.2075)。
白色申告の年と青色申告の年の違い
| 白色申告の年 | 青色申告の年 | |
|---|---|---|
| 制度 | 事業専従者控除(所得税法第57条第3項) | 青色事業専従者給与 |
| 経費・控除になる額 | 配偶者は最高86万円(給与を払ったかどうかに関係なく) | 届け出た範囲内で実際に支払った給与 |
| 実際に払った給与 | 支払額自体は経費にならない(所得税法第56条) | 経費になる |
| 専従者側の扱い | 控除額が専従者の給与所得になる | 受け取った給与が給与所得になる |
白色申告の年に6か月超専ら従事した場合、事業専従者控除として配偶者は最高86万円を事業主の所得から差し引けます。白色の年は、給与を払っても払わなくても税額は変わりません。
注意したいポイント
- 配偶者控除との関係:専従者となった年は、事業主の配偶者控除・配偶者特別控除(家族を扶養している場合の控除)の対象外となります
- 保育要件は自治体の基準:多くの自治体では、事業主が記入する就労証明書で就労時間を確認しますが、親族の事業で働く場合や無給の場合には、追加書類を求めることがあります。無給でも就労と認められるかは、お住まいの自治体の保育担当課に確認しましょう
- 働いた実態の記録:税務上必須の契約書はありませんが、出勤簿や業務日報、賃金台帳(給与の支払記録簿)、銀行振込の記録を残しておくと、働いた実態の証明になります
- 源泉徴収の手続き:給与を支払う場合は事業主が源泉徴収義務者となり、「給与支払事務所等の開設届出書」の提出が必要となることがあります
専従者と他の仕事の関係はパート勤務を続けながら青色事業専従者になれる?、家族への給与の要件は不動産投資で家族に給与は払える?もご覧ください。
まとめ
- 青色事業専従者になる前の6か月の無給期間は不要。要件は「その年に6か月超、専ら従事」
- 青色申告の年は3月15日までに届出書を出し、届け出た範囲内で給与を支払う
- 白色申告の年は事業専従者控除(配偶者は最高86万円)で、給与を払っても税額は変わらない
この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。
