副業・損益通算

個人事業主・ひとり会社の税金の納付スケジュール:予定納税・中間申告はいつ払う?

事業を始めて2年目、3年目に多いのが、「確定申告で税金を払ったばかりなのに、7月にまた税務署から納付書が来た」「11月に消費税の中間納付があるのを忘れていた」というご相談です。税金の支払いは年に何回もあり、時期を知らないと資金繰りが苦しくなります。

この記事では、個人事業主とひとり会社の年間の納付スケジュールと、予定納税・中間申告の基準を一覧にします。

この記事の結論
  • 個人事業主は、3月の確定申告(所得税3月15日、消費税3月31日)のほか、7月・11月の予定納税(予定納税基準額15万円以上)、6月から始まる住民税、個人事業税、消費税の中間申告がある
  • ひとり会社は、決算日から2か月以内に法人税・消費税などを申告・納付し、前期の法人税額などに応じて中間申告がある
  • 消費税の中間申告は、直前の確定消費税額(地方消費税を除く)が48万円超で年1回、400万円超で年3回、4,800万円超で年11回
  • 毎月、売上の一定割合を納税用の口座に分けておくと、納付の月に慌てない

個人事業主の年間スケジュール

時期税金内容
1月31日償却資産の申告(固定資産税)事業用の資産がある場合、市区町村に申告(免税点未満でも申告が必要な場合がある)
1月20日・7月10日源泉所得税(納期の特例)従業員などに給与を払っていて、納期の特例の承認を受けている場合
3月15日所得税・復興特別所得税前年分の確定申告と納付の期限。振替納税なら引落しは4月下旬ごろ
3月31日消費税・地方消費税課税事業者の確定申告と納付の期限
6月15日まで予定納税の通知予定納税基準額が15万円以上の人に通知
6月〜翌1月住民税(普通徴収)原則として6月・8月・10月・翌1月の4回(市区町村により異なる)
7月予定納税 第1期7月1日〜7月31日
8月・11月個人事業税原則として8月と11月の2回(都道府県により異なる)
11月予定納税 第2期11月1日〜11月30日
中間申告の時期消費税の中間申告前年の確定消費税額が48万円超の場合(年1回なら8月末)

このほか、固定資産税(事業用の家屋・償却資産)、国民健康保険料、国民年金保険料の支払いもあります。

予定納税の仕組み

予定納税は、その年の所得税の一部を、前もって7月と11月に納める制度です(国税庁タックスアンサーNo.2040)。

  • 対象:前年分の所得金額や税額などをもとに計算した予定納税基準額が15万円以上の人
  • 金額:第1期・第2期にそれぞれ予定納税基準額の3分の1ずつ
  • 通知:その年の6月15日までに税務署から通知
  • 精算:翌年3月の確定申告で精算し、納めすぎていれば還付される

その年の所得が前年より大きく減りそうなときは、減額申請ができます。6月30日の状況で見積もる場合は7月15日まで(第1期・第2期分)、10月31日の状況で見積もる場合は11月15日まで(第2期分)に提出します(国税庁「予定納税額の減額申請手続」)。

ひとり会社(法人)の年間スケジュール

3月決算の会社を例にすると、次のようになります。

時期税金内容
5月31日法人税・地方法人税、法人住民税・法人事業税など、消費税決算日の翌日から2か月以内に確定申告と納付
11月30日法人税などの中間申告事業年度開始から6か月を経過した日から2か月以内
消費税の中間申告の時期消費税・地方消費税前期の確定消費税額が48万円超の場合
毎月10日(または1月20日・7月10日)源泉所得税役員報酬・給与から預かった源泉所得税
1月31日償却資産の申告、法定調書・給与支払報告書前年の支払いなどを報告

法人は、赤字でも法人住民税の均等割がかかります。法人の申告期限の延長などは「法人税の申告期限はいつ?」をご覧ください。

法人税の中間申告

事業年度が6か月を超える法人は、原則として、事業年度開始から6か月を経過した日から2か月以内に中間申告をします。前事業年度の法人税額をもとにした「予定申告」と、6か月間を仮に決算する「仮決算による中間申告」のどちらかを選べます。

ただし、前事業年度の法人税額 ÷ 前事業年度の月数 × 6 が10万円以下の場合(12か月の事業年度なら前期の法人税額が20万円以下の場合)は、中間申告は不要です(国税庁「法人税のあらましと申告の手引」)。仮決算は、業績が前期より大きく落ちたときに中間納付を抑える方法として使われます。仮決算のメリットと注意点は「中間申告と予定納税の仕組み」で解説しています。

消費税の中間申告

消費税の中間申告の回数は、直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税を除く)で決まります(国税庁タックスアンサーNo.6609)。

直前の課税期間の確定消費税額中間申告の回数
48万円以下原則不要(任意の中間申告制度あり)
48万円超〜400万円以下年1回
400万円超〜4,800万円以下年3回
4,800万円超年11回

期限は、原則として各中間申告の対象となる期間の末日の翌日から2か月以内です。中間納付では、消費税額に加えて、その78分の22の地方消費税もあわせて納めます。消費税の中間納付の資金の考え方は「消費税の中間申告と資金繰り」も参考になります。

納付の月に慌てないための準備

1. 納税用の口座を分ける売上が入るたびに、一定の割合を納税用の口座に移しておきます。消費税は「預かったお金」なので、特に分けておくと安心です。

2. 毎月の記帳で税額を見込む毎月記帳していれば、その年の利益と税額の見込みがわかり、予定納税の減額申請や、法人の仮決算による中間申告を使うべきか判断できます。記帳の頻度は「記帳はどれくらいの頻度でやればいい?」をご覧ください。

3. 振替納税・ダイレクト納付を使う口座からの引落しにすれば、納付を忘れるリスクが減ります。引落し日の前に残高を確認しておきましょう。

4. 納付が難しいときは早めに相談期限までに納められないと延滞税がかかります。資金繰りが苦しいときは、期限前に税務署に相談すると、猶予などの制度を案内してもらえる場合があります。

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まとめ

  • 個人事業主の税金は、3月の確定申告、7月・11月の予定納税、6月からの住民税、8月・11月の個人事業税、消費税の中間申告と、年に何回もある
  • 予定納税は予定納税基準額15万円以上の人が対象。所得が減りそうなら7月15日・11月15日までに減額申請ができる
  • ひとり会社は決算日から2か月以内の申告と、前期の法人税額が一定額を超える場合の中間申告がある
  • 消費税の中間申告は、前期の確定消費税額48万円超で年1回、400万円超で年3回、4,800万円超で年11回
  • 納税用の口座を分け、毎月の記帳で税額を見込んでおく

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よくある質問

予定納税は、どんな人に、いつ通知されますか?
前年分の所得金額や税額などをもとに計算した予定納税基準額が15万円以上になる人が対象です。税務署から、その年の6月15日までに書面またはe-Taxで通知され、第1期分を7月1日から7月31日まで、第2期分を11月1日から11月30日までに納めます。その年の所得が大きく減りそうなときは、減額申請(7月15日まで、または11月15日まで)ができます。
消費税の中間申告は、どんな場合に必要ですか?
直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税を除く)が48万円を超える場合に必要です。48万円超400万円以下は年1回、400万円超4,800万円以下は年3回、4,800万円超は年11回です。48万円以下の事業者は原則不要ですが、任意の中間申告制度もあります。中間納付では、消費税に加えて地方消費税もあわせて納めます。

※本記事は2026年10月25日時点の法令・制度に基づく一般的な解説です。個別の状況により結論が異なるため、実行前に専門家へご相談ください。
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