副業・ネット収入

副業サイトで「インボイス調整額」を引かれたら、確定申告の収入は入金額?精算額?

ご相談の内容

パートをしながら、在宅でできるメール・チャットの副業サイトで報酬を得ている方からのご相談です。サイトでインボイス対応が始まり、インボイス登録をしていない人は「精算額-振込手数料」から数%の調整額を引いた金額が入金されることになりました。支払証明書にもその旨が書かれるそうです。確定申告では、実際の入金額を収入にするのか、調整額を引く前の精算額を収入にするのかを知りたいという内容でした。

結論
  • どちらの方法で計上しても所得金額は同じになる
  • ①精算額を収入とし、手数料と調整額を経費にする方法、②実際の入金額をそのまま収入にする方法の、どちらでも差し支えないと考えられる
  • 二重に差し引かないこと、確定申告が必要かどうかの20万円は所得で判定することに注意

回答

副業の報酬は雑所得

パートの給与以外の副収入であるサイトの報酬は、通常は雑所得(他の所得区分に当たらない所得)に当たります(国税庁タックスアンサーNo.1500)。雑所得の金額は「総収入金額-必要経費」で計算します(所得税法第35条)。総収入金額は、その年に「収入すべき金額」とされています(所得税法第36条)。

調整額は「値引き」とも「費用」とも考えられる

インボイス調整額は、インボイス登録をしていない人への報酬を減額する取扱いです。そのため、報酬の値引きとみて入金額を収入とする考え方も、いったん精算額を収入にして調整額を費用とする考え方も成り立ちます。いずれでも、差し引き後の金額は変わりません。

精算額10万円、振込手数料200円、調整額を約3,000円とした場合の例です。

方法収入必要経費所得
①精算額を収入にする10万円手数料200円+調整額約3,000円約9万6,800円
②入金額を収入にする約9万6,800円なし約9万6,800円

二重に差し引かない

注意点は、同じ金額を二重に差し引かないことです。②の入金額を収入とする場合は、振込手数料や調整額をさらに経費に入れることはできません。どちらの方法でも、サイトの支払証明書(精算額・手数料・調整額が分かるもの)を保管しておくと、計算の根拠を説明しやすくなります。

注意したいポイント

  • パート先で年末調整を受けている場合は、給与以外の所得が年20万円以下であれば、所得税の確定申告は原則不要です(所得税法第121条、タックスアンサーNo.1900)。この20万円は入金額ではなく、収入から経費を引いた所得で判定します。
  • ただし、住民税の申告は別途必要です。お住まいの市区町村に確認しましょう。
  • 所得が20万円を超える場合や、医療費控除などで確定申告をする場合は、副業の所得も含めて申告します。
  • 調整率は、インボイス制度の経過措置(登録していない人からの仕入れでも一定割合の仕入税額控除を認める仕組み)を踏まえて設定されたものと思われます。経過措置の割合が段階的に変わる時期に、調整率も変わる可能性があります。毎年の支払証明書で金額を確認しましょう。

副業が20万円以下のときの申告の考え方は、自分で確定申告するなら年末調整は不要?副業20万円以下でもe-Taxで申告できる?でも解説しています。経過措置の仕組みについては免税事業者からの仕入れの経過措置と不動産取引もご覧ください。

まとめ

  • インボイス調整額は、精算額から経費で引いても、入金額を収入にしても所得は同じ
  • 入金額を収入にする場合は、手数料や調整額を重ねて経費にしない
  • 確定申告が必要かは所得20万円で判定し、住民税の申告は別途行う。支払証明書は保管しておく

この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。

よくある質問

インボイス調整額を引かれた報酬は、入金額と精算額のどちらを収入にすればよいですか?
どちらでも差し支えないと考えられます。精算額を収入とし、振込手数料と調整額を必要経費にする方法でも、実際の入金額をそのまま収入にする方法でも、所得金額は同じです。入金額を収入にする場合は、手数料や調整額をさらに経費に入れないよう注意します。
パートで年末調整を受けていれば、副業の確定申告は不要ですか?
給与以外の所得(収入から経費を引いた後の金額)が年20万円以下であれば、所得税の確定申告は原則不要です(所得税法第121条、国税庁タックスアンサーNo.1900)。20万円は入金額ではなく所得で判定します。ただし住民税の申告は別途必要です。

※本記事は2026年10月26日時点の法令・制度に基づく一般的な解説です。個別の状況により結論が異なるため、実行前に専門家へご相談ください。
※本記事の無断転載・複製、商用目的での利用はお断りします。引用の際は、出典(税理士法人クレフティ・記事URL)を明記してください。

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