ご相談の内容
大学生が、1年間に競輪の車券を合計20万円ほど購入し、払戻金が合計100万円ほどになった、というご相談です。アルバイト代は年20万円ほどで、確定申告やその他の税金がどうなるのか、親の扶養から外れるのかを知りたいという内容でした。あわせて、自分のアカウントを友人が使って車券を買い、その払戻金が自分の口座に入っていた分の扱いも気にされていました。
- 競輪の払戻金は一時所得。バイト代と合わせても基礎控除の範囲内なら、所得税はかからず確定申告も不要
- 合計所得金額が62万円以下なら、親の税法上の扶養からも外れない。ただし住民税と健康保険の扶養は別に確認する
- 友人が自分のお金で買った分は友人の所得。友人へ渡した記録を残す
回答
競輪の払戻金は一時所得
競輪の払戻金は、一時所得(臨時的・偶発的なもうけ)にあたります(所得税法第34条、国税庁タックスアンサーNo.1490)。一時所得の金額は次のように計算し、課税の対象になるのはその2分の1です。
差し引ける支出は、原則として当たった車券の購入代金だけで、外れ車券の代金は含まれません(所得税基本通達34-1)。外れ車券も含めて差し引けるのは、継続的・機械的に大量購入している例外的な場合に限られます。
金額を当てはめると
| ケース | 課税対象になる金額 |
|---|---|
| 当たり車券の購入代金を0円とした場合(最大) | (100万円 − 50万円)÷ 2 = 25万円 |
| 仮に購入額20万円全額を差し引ける場合 | (100万円 − 20万円 − 50万円)÷ 2 = 15万円 |
当たり車券の購入代金がいくらであっても、課税対象は最大で25万円です。
バイト代と合わせても基礎控除の範囲内
アルバイト代20万円は、給与所得控除(給与収入から差し引ける概算の経費。令和8年分は65万円)を下回るため、給与所得は0円です。そのため、合計所得金額は最大でも25万円です。
これは基礎控除(令和8年分は104万円)を下回るため所得税はかからず、確定申告の義務もありません(所得税法第120条)。なお、アルバイト先で所得税が源泉徴収されている場合は、確定申告をすれば還付を受けられます。
親の扶養はどうなるか
親の扶養控除(税法上の扶養)は、子の合計所得金額が62万円以下であることが要件です。今回の金額であれば満たすため、外れないと考えられます。
友人がアカウントを使っていた分
税金は名義ではなく、実際に利益を得た人に課されます(所得税法第12条、実質所得者課税の原則)。
- 友人が自分のお金で車券を買っていたのであれば、その払戻金は友人の一時所得です。友人が自分で上記の計算をすることになります
- 受け取った払戻金を友人へ渡した記録(振込明細など)を残しておくと安心です
- 反対に、友人の払戻金を受け取ったままにすると、友人からの贈与(年110万円を超えると贈与税)とみられる可能性があります
- 自分の分と友人の分が混在している場合は、それぞれ分けて計算します
注意したいポイント
- 住民税は所得税と基準が異なります。所得税の確定申告が不要でも、お住まいの市区町村への申告が必要になる場合があるため、役所で確認しましょう。
- 健康保険の扶養は、税法上の扶養とは別の基準(年収)で判定されます。一時的な払戻金を収入に含めるかどうかは、加入している健康保険(親の勤務先の健康保険組合など)ごとに異なるため、事前に確認しておくと安心です。
- 外れ車券を差し引けるのは例外的な場合だけです。「賭けた総額」と「当たった総額」の差額で考えると、所得を少なく見積もってしまうことがあります。
学生の収入と扶養の関係は、大学生の家庭教師(個人契約)と塾バイト、親の扶養は外れる?や大学生のバイト代と交通費、扶養の判定に交通費は含まれる?でも解説しています。
まとめ
- 競輪の払戻金は一時所得で、50万円の特別控除を引いた残りの2分の1が課税対象
- バイト代が少なければ基礎控除の範囲内に収まり、所得税・確定申告は不要で、税法上の扶養も外れない見込み
- 友人が使った分は友人の所得。住民税の申告と健康保険の扶養は別に確認する
この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。
