ご相談の内容
正社員として働きながら、別の会社でアルバイトをしており、副業も給与として受け取っています。本業の会社に副業を知られない確定申告や年末調整の方法はあるでしょうか。また、副業先で社会保険に加入した場合、本業の会社に分かるのでしょうか。
- 給与の副業を本業に確実に知られないようにする申告方法はない
- 副業先で社会保険に加入すると、決定通知が本業の勤務先にも届く
- まずは本業の就業規則で副業が認められているかを確認し、正式に届け出るのが安心
回答
所得税:年末調整は本業だけ
- 年末調整は本業の勤務先だけで行い、副業先では「乙欄」(扶養控除等申告書を出していない人向けの高めの源泉徴収)で天引きされます(所得税法第185条・第190条)
- 副業先の源泉徴収票を本業に提出する必要はありません
- 副業先の給与収入が年20万円を超えるなどの場合は、確定申告が必要です(所得税法第121条、国税庁タックスアンサーNo.1900)
住民税:知られるきっかけになりやすい
給与にかかる住民税は、勤務先が天引きする「特別徴収」が原則です(地方税法第321条の3)。確定申告書で「自分で納付」(普通徴収)を選べるのは、給与以外の所得の分に限られます。
ただし、副業先が市区町村へ提出する給与支払報告書に「他の事業所で特別徴収(乙欄適用者)」と記載した場合は、副業分を普通徴収にできることがあります。取扱いは市区町村によって異なるため、お住まいの市区町村への確認が必要です。
社会保険:本業の勤務先に通知が届く
| 手続き | 内容 |
|---|---|
| 届出 | 副業先でも加入要件を満たす場合、本人が「被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を年金事務所等に提出(健康保険法施行規則第1条、厚生年金保険法施行規則第1条) |
| 保険料 | 両方の報酬を合算して計算し、勤務先ごとに按分 |
| 通知 | 決定通知が本業の勤務先にも届く |
このため、社会保険に加入する場合は、副業を知られずに済ませることはできません。
注意したいポイント
- 就業規則を確認する:本業の就業規則で副業が認められているか、届出や許可の手続きがあるかを確認しましょう
- 正式に届け出るほうが安心:認められている場合は、正式に届け出ておくほうが、住民税や社会保険の手続きも含めて安心して続けられます
- 加入要件の確認:副業先での社会保険の加入要件は、勤務時間や勤務先の規模などで決まります。副業先にも確認しておきましょう
住民税の通知の仕組みは副業も給与のとき、住民税の通知書で本業の会社に副業はバレる?、会社員の住民税の考え方は会社員の不動産投資と住民税もご覧ください。
まとめ
- 給与の副業を本業に確実に知られないようにする申告方法はない
- 住民税は給与分が原則特別徴収で、社会保険は二以上事業所勤務の決定通知が本業にも届く
- 就業規則を確認し、認められていれば正式に届け出て続けるのが安心
この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。
