相続・贈与

親から自分名義の通帳と印鑑を何年も前に渡された、贈与税は使った時に申告する?

ご相談の内容

何年も前に、親が私名義の貯金の届出印を私のものに変更し、通帳と一緒に渡してくれました。しばらく使わずにいましたが、数年後に一部を車の購入に使い、今年、残りで国債を買いました。贈与税の申告が必要だと思いますが、使った時期ごとに分けて申告すればよいのでしょうか。

結論
  • 贈与税は使った時ではなく、通帳と印鑑を渡されて自由に使える状態になった時に課税される
  • 使った時期ごとに分けて申告するのは適切ではない
  • 贈与から申告期限が6年を過ぎていれば、原則として今から申告や納税は不要

回答

贈与の時期は「渡された時」

書面によらない贈与(口約束などによる贈与)は、実際に財産を渡した時に成立し、その時に財産を取得したものとされます(相続税法基本通達1の3・1の4共-8)。

親が届出印を子どものものに変更して通帳と一緒に渡し、その後は子どもが管理していたのであれば、その時点で貯金の全額(当時の残高)の贈与を受けたことになります。その後の車の購入や国債の購入は、すでに自分の財産となったお金を使っただけで、新たな贈与には当たりません。

申告期限から6年を過ぎていれば

贈与税は、申告期限から6年を過ぎると、原則として税務署が課税できなくなります(相続税法第36条。偽りその他不正の行為がある場合は7年)。何年も前の贈与であれば、この期間を過ぎている可能性が高く、今から申告や納税をする必要はないと考えられます。正確な贈与の年と申告期限の日付で確認してください。

結論が変わるケース

受け取った後の状況考え方
自分で通帳と印鑑を管理していた渡された時に贈与が成立
実際は親が管理していた、「預かっているだけ」という認識だった贈与は成立しておらず名義預金(名義だけ子どもで実質は親の財産)とみなされるおそれ。使った時にその都度贈与があったと判断される可能性

注意したいポイント

  • 資料を保管する:届出印の変更の記録、通帳を受け取った時期が分かる資料、当時の経緯のメモなどを保管しておきましょう。将来の相続のときに、税務署から預金の出どころを確認されることがあります
  • 相続時の加算期間:相続開始前の贈与を相続財産に加える期間は、2024年以降の贈与から段階的に7年へ延長されています。それより前の贈与で加算期間を過ぎていれば、対象にはならないと考えられます

子ども名義の預金の扱いは子ども名義で貯めた預金を成人した子に渡したら、贈与税はかかる?、生前贈与の新ルールは生前贈与と相続の新ルールもご覧ください。

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まとめ

  • 預金の贈与は、通帳と印鑑を渡されて自由に使える状態になった時に成立する
  • 使った時期ごとに分けて申告するのではなく、渡された年の贈与として考える
  • 受け取った後も親が管理していた場合は名義預金となり、結論が変わる

この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。

よくある質問

通帳を受け取った後、親が管理していた場合はどうなりますか?
贈与は成立しておらず、名義だけ子どもで実質は親の財産という名義預金とみなされるおそれがあります。その場合、実際に使った時にその都度贈与があったと判断される可能性があります。
数年前の贈与は、相続のときに相続財産に加算されますか?
相続開始前の贈与を加算する期間は、2024年以降の贈与から段階的に7年へ延長されています。それより前に受けた贈与で加算期間を過ぎていれば、対象にはならないと考えられます。

※本記事は2026年10月31日時点の法令・制度に基づく一般的な解説です。個別の状況により結論が異なるため、実行前に専門家へご相談ください。
※本記事の無断転載・複製、商用目的での利用はお断りします。引用の際は、出典(税理士法人クレフティ・記事URL)を明記してください。

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