相続・贈与

養育費と入学金の精算で年間110万円を超えたら、贈与税はかかる?

ご相談の内容

離婚した元配偶者から毎月養育費を受け取っています。子どもの高校入学の際は、入学金などの半分も負担してもらいました。合計すると、年間の受取額が110万円を超えてしまいます。この場合、贈与税はかかるのでしょうか。

結論
  • 通常必要な範囲の養育費・教育費を受け取り、実際に生活費や学費に充てていれば、原則として贈与税はかからない
  • もともと非課税の財産は110万円の計算に含めない
  • 預貯金や投資に回した場合、通常必要な金額を大きく超える場合、将来分の一括受取には注意する

回答

1. なぜ贈与税がかからないのか

相続税法第21条の3第1項第2号では、扶養義務者(親など、扶養する義務のある親族)同士で生活費や教育費に充てるために渡した財産のうち、「通常必要と認められるもの」は贈与税を課さない財産とされています(国税庁タックスアンサーNo.4405「贈与税がかからない場合」)。

離婚後も、別れて暮らす親はお子さまの扶養義務者です(民法第877条)。そのため、毎月の養育費や、入学金など実際にかかった費用の半額を負担してもらうことも、この扱いに当てはまります。

2. 110万円との関係

110万円は贈与税の基礎控除額です。もともと贈与税がかからない財産は、この計算に含めません。「年間110万円を超えたから課税される」ということにはなりません。毎月の養育費に入学金などの精算が重なる年は受取額が大きくなりますが、金額だけで判断するのではなく、何に使ったお金かで考えます。

3. 贈与税がかかる可能性があるケース

ケース考え方
生活費や学費に使わず預貯金として貯めておいた課税される可能性がある(相続税法基本通達21の3-5)
株式や不動産などの購入資金に充てた同上
お子さまの状況に照らして、通常必要な金額を大きく超える同上
将来の分までまとめて一括で受け取った課税されることがあるとされている

一括受取の点は、国税庁の「扶養義務者(父母や祖父母)から『生活費』又は『教育費』の贈与を受けた場合の贈与税に関するQ&A」で説明されています。毎月受け取り、入学金などはかかった都度に精算しているのであれば、通常は問題にならないと考えられます。

注意したいポイント

念のため、次の書類を保管しておくと安心です。受け取ったお金が実際に生活費や教育費に充てられたことを説明しやすくなります。

  • 養育費の取り決めの内容がわかるもの(離婚協議書や公正証書など)
  • 入学金などの領収書
  • 振込の記録

子どものためのお金の贈与については子ども名義で貯めた預金を成人した子に渡したら、贈与税はかかる?もご覧ください。

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まとめ

  • 通常必要な養育費・教育費を生活費や学費に充てていれば、年間110万円を超えても原則として贈与税はかからない
  • 非課税の財産は110万円の基礎控除の計算に含めない
  • 貯蓄や投資に回さず、取り決めの書類・領収書・振込記録を保管しておく

この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。

よくある質問

離婚して別々に暮らしている親からのお金でも、非課税になりますか?
離婚後も、別れて暮らす親はお子さまの扶養義務者です(民法第877条)。そのため、毎月の養育費や、入学金など実際にかかった費用の負担も、生活費・教育費の非課税の扱いに当てはまります。
養育費を将来の分まで一括で受け取った場合はどうなりますか?
課税されることがあるとされています。毎月受け取り、入学金などをかかった都度に精算している場合は、通常は問題にならないと考えられます。

※本記事は2026年10月31日時点の法令・制度に基づく一般的な解説です。個別の状況により結論が異なるため、実行前に専門家へご相談ください。
※本記事の無断転載・複製、商用目的での利用はお断りします。引用の際は、出典(税理士法人クレフティ・記事URL)を明記してください。

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