ご相談の内容
懸賞が趣味で、雑誌の懸賞で当たったプリペイドカードや芸能人のサイン入りグッズなどを、時間がたって興味が薄れたためフリマアプリやネットオークションで売りたい、という会社員の方からのご相談です。人気の高いサイン入りの品は5万円、10万円で取引されていることもあり、その売上は譲渡所得になるのか、生活用動産として非課税なのか、20万円を超えると確定申告が必要なのか、を知りたいという内容でした。
- 当選品をときどき手放す程度なら、原則として非課税の生活用動産の譲渡にあたり、確定申告は不要と考えられる
- ただし1点(1組)30万円を超える品は課税対象の譲渡所得になる
- 「20万円」は売上ではなく所得で判定する。当選した時点の一時所得にも注意
回答
生活用動産の譲渡は非課税
生活用動産(家具・衣類など日常生活に使う動産)を売って得た所得は、非課税とされています(所得税法第9条第1項第9号)。
ただし、貴金属・書画・骨とう・美術工芸品などで1個または1組の価額が30万円を超えるものは、非課税から除かれます(所得税法施行令第25条)。
サイン入りグッズの売値が5万円や10万円であれば、この30万円の範囲内なので非課税と考えられます。ただし、趣味のコレクション品が「生活に通常必要な動産」にあたるかは、個別判断となる面があります。
30万円を超える品を売った場合
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所得の種類 | 譲渡所得 |
| 取得費 | 原則として、当選した時点の時価相当額と考えられる |
| 特別控除 | 年間の譲渡益から50万円(所得税法第33条) |
売値から取得費を差し引き、さらに特別控除50万円を差し引けるため、実際に税負担が生じるケースは限られます。
転売目的の場合は別
転売目的で継続的に応募・購入して売却している場合は、生活用動産ではなく、雑所得や事業所得として扱われる可能性があります。
「20万円」の意味
確定申告の「20万円」は、売上ではなく所得(もうけ)の額で判定します。給与所得者で、給与以外の所得の合計が20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要です(所得税法第121条、国税庁タックスアンサーNo.1900)。非課税の生活用動産の売却代金は、この所得に含まれません。
注意したいポイント
- 当選した時点で、賞品の価額は一時所得の対象になります(所得税基本通達34-1)。ただし、一時所得には年間50万円の特別控除があるため、その年の当選品の価額の合計(ほかの一時所得を含む)がこれを超えなければ課税されません。
- 所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告は別途必要になる場合があります。
- 1点30万円を超えるかどうかは、1個または1組で判定します。セットで売るものは組での価額を確認しましょう。
不用品の売却と確定申告の関係は、フリマアプリで子ども服やおもちゃを売って20万円超、確定申告は必要?や昔集めたトレカを買取に出して30万円、会社員は確定申告が必要?でも解説しています。
まとめ
- 当選品をときどき手放す程度なら、原則として非課税・確定申告不要
- 1点30万円超の品や、転売目的の継続的な売却は課税対象になり得る
- 「20万円」は所得で判定する。当選時の一時所得と住民税の申告もあわせて確認する
この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。
