ご相談の内容
親の健康保険の扶養に入っている23歳のフリーターの方からのご相談です。秋から2か月契約のアルバイトをしていて、締め日と支払日の関係で「実際に働いた月」と「給与が振り込まれる月」がずれています。年末からさらに別のアルバイトを始めるか迷っており、親の扶養控除や健康保険の扶養から外れないためには、どちらの月を基準に収入を数えればよいのかを知りたいという内容でした。
- 税金上の扶養(親の扶養控除)は、給与の支給日(振込月)を基準に年分を判定する
- 健康保険の扶養は、働いた月・振込月の実績ではなく、今後1年間の収入見込みで判定するのが原則
- 具体的な運用は、親が加入する健康保険(保険者)ごとに異なる
回答
税金:給与は支給日の年分の収入
税金では、給与はその支給日の年分の収入となります(所得税基本通達36-9)。働いた月ではなく、支払われる日で年を分けます。
たとえば、次のような収入見込みの場合で考えてみます。
| 支給月 | 金額(例) | 何年分の収入か |
|---|---|---|
| 1〜4月支給 | 約35万円 | 今年分 |
| 11月支給 | 約7.5万円 | 今年分 |
| 12月支給 | 約13万円 | 今年分 |
| 翌年1月支給(12月に働いた分など) | 約8万円 | 翌年分 |
今年分は合計で約55万円です。年末から始める新しいアルバイトも、初回の支給が翌年1月であれば翌年分となり、今年分の扶養控除には影響しません。
2026年分(令和8年分)の扶養控除では、23歳の方の要件は合計所得金額62万円以下、給与のみであれば年収136万円以下です。
健康保険:今後1年間の収入見込みで判定
健康保険の扶養は、年間収入130万円未満(月額約108,333円未満)が目安です。「3か月連続で超えたら外れる」という扱いは一部の保険者の運用で、全国共通の基準ではありません。
また、2026年4月以降は、給与収入のみの方について、労働契約(労働条件通知書など)に定められた賃金から見込まれる年間収入で判定する取扱いになりました。この場合、残業代など契約外の臨時収入は原則として含めません。ただし、通勤手当は収入に含めて計算する点に注意が必要です。
注意したいポイント
年末から新しいアルバイトを始める場合は、次の点を確認しましょう。
- 契約上の月額賃金(通勤手当を含む)が約108,333円未満で、年換算130万円未満になっているか
- ご自身が勤務先の社会保険の加入対象にならないか。週20時間以上の勤務で、雇用期間が2か月を超える見込みかどうかが目安です(賃金や企業規模の要件は見直しが進んでいるため、勤務先に確認しましょう)。加入対象になると、年収130万円未満でも親の扶養から外れます
- 翌年分の給与収入の合計が130万円を超えないか
判定方法の細かな運用は保険者ごとに異なるため、労働条件通知書を用意して、親が加入する健康保険に確認するのが確実です。
年をまたいでアルバイトを続ける場合の考え方は、大学卒業後、大学院入学まで1年バイトを続けるなら親の扶養と社会保険はどうなる?でも解説しています。
まとめ
- 親の扶養控除は支給日の年分で判定。翌年1月支給の給与は翌年分になる
- 健康保険の扶養は今後1年間の収入見込み(130万円未満)で判定。「3か月連続」は一部の運用にすぎない
- 新しいアルバイトは、通勤手当を含めた契約賃金と社会保険の加入要件を確認する
この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。
