相続・贈与

夫婦それぞれの親から住宅資金の援助、非課税特例で贈与税を出さない手順とタイミングは?

ご相談の内容

中古マンションの購入にあたり、夫の親と妻の親の双方から住宅資金の援助を受ける予定です。それぞれ住宅取得等資金の非課税特例(一般住宅500万円)を使い、妻はこれとは別に少額の暦年贈与も受けます。銀行からは物件代金・リフォーム費用・諸費用の全額を借りる予定ですが、贈与税がかからないようにするための注意点や必要書類、実行のタイミングを知りたいというご相談です。

結論
  • 非課税で受ける援助は、受け取った本人の口座から売主へ物件代金として支払い、その分ローンを減らすのが最も確実
  • 登記費用やローン手数料などの諸費用は特例の対象外。決済前に入金し、翌年に税額ゼロでも申告が必要
  • 登記の持分は各自の負担額の割合に合わせる。ずれると夫婦間の贈与とされるおそれがある

回答

ローン全額+援助は説明しにくい

購入費用の全額をローンで借りたうえで援助も受けると、支出に対して手元の資金が援助の分だけ多くなります。これでは、贈与されたお金を住宅の取得に充てたと説明しにくくなります。援助の分だけ借入額を減らし、援助のお金で物件代金を支払う形にしておくのが確実です。

特例の対象になる使い道

住宅取得等資金の非課税特例(租税特別措置法第70条の2、国税庁タックスアンサーNo.4508)は、贈与資金を住宅の取得対価や一定の増改築等(リフォーム)の対価に充てることが要件です。

使い道特例の対象
物件代金対象(最も簡明)
リフォーム費用工事費100万円以上などの要件と証明書類が必要
登記費用・ローン手数料などの諸費用対象外

限度額は受贈者1人あたりです。両親双方から受けても合算され、一般住宅は500万円です(令和4年〜8年の贈与が対象)。妻が別に受ける暦年贈与は、その年にほかの贈与がなければ基礎控除110万円の範囲内で収まります。

実行の手順

  1. 決済(残代金の支払い)の前に、親から各自の口座へ振り込んでもらう
  2. その口座から売主へ物件代金として振り込む
  3. 振込の前に贈与契約書を作り、通帳の記録・売買契約書・領収書を保管する
  4. 贈与を受けた年の翌年3月15日までに取得と居住を済ませる
  5. 税額がゼロでも、翌年2月1日〜3月15日に贈与税の申告をする

注意したいポイント

  • 登記の持分:所有権移転登記の時点で、各自の負担額(自己資金+各自が返済するローン額)の割合に合わせます。たとえばローンが夫の単独債務なら、妻の持分は妻の負担額を取得総額で割った割合です。総額には仲介手数料・印紙税・不動産取得税などの諸費用も含め、ペアローンなら各自の借入額も負担額に加えます。持分が負担割合とずれると、差額が夫婦間の贈与とされるおそれがあります
  • 住宅ローン控除への影響:この特例を受けると、住宅ローン控除の対象となる借入額は、取得対価から非課税とされた贈与額を差し引いた額が上限になります

持分の決め方は妻の資金で頭金を払ったマンション、共有名義の持分割合はどう決める?、援助に関連して住宅購入で親から頭金に上乗せの「お祝い」、贈与税はかかる?もご覧ください。

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まとめ

  • 非課税の援助は本人の口座から売主へ物件代金として支払い、その分ローンを減らす
  • 諸費用は対象外。決済前に入金し、贈与契約書と通帳の記録を残し、翌年に申告する
  • 登記の持分は各自の負担額の割合に合わせ、住宅ローン控除の借入額の上限にも注意する

この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。

よくある質問

住宅ローンで全額を借りたうえで、親からの援助も受けてよいですか?
おすすめできません。支出より資金が多くなり、贈与資金を住宅の取得に充てたと説明しにくくなります。援助を受けた本人の口座から売主へ物件代金として支払い、その分ローンを減らすのが確実です。
援助を登記費用や仲介手数料に充ててもよいですか?
非課税特例の対象は住宅の取得対価と一定の増改築等の対価で、登記費用やローン手数料などの諸費用は対象外とされています。物件代金に充てるのが簡明です。

※本記事は2026年11月4日時点の法令・制度に基づく一般的な解説です。個別の状況により結論が異なるため、実行前に専門家へご相談ください。
※本記事の無断転載・複製、商用目的での利用はお断りします。引用の際は、出典(税理士法人クレフティ・記事URL)を明記してください。

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