所得税・確定申告

観戦チケットを一度だけリセールして利益が出た、雑所得?譲渡所得?確定申告は必要?

ご相談の内容

海外で開催されるスポーツ大会の観戦チケットを購入したものの、航空券などの渡航費が高騰して現地に行くのが難しくなり、リセールに出したところ、元値5万円ほどのチケットが20万円で売れた、というご相談です。転売目的で買ったわけではなく、リセールもこの一回だけ。この利益は雑所得になるのか、譲渡所得になるのかを知りたいという内容でした。

結論
  • 自分で観戦するために買い、やむを得ず一回だけリセールした利益は譲渡所得と考えられる
  • 譲渡所得には年50万円の特別控除があり、他に譲渡益がなければ課税される所得は0円の見込み
  • その場合、所得税・住民税はかからず、確定申告も不要と考えられる

回答

一回だけのリセールは譲渡所得

所得税法第33条第1項では、資産の譲渡による所得を譲渡所得としています。ただし同条第2項第1号により、棚卸資産(販売用の商品)の譲渡や、営利を目的として継続的に行われる資産の譲渡による所得は譲渡所得から除かれ、事業所得または雑所得になります。

いわゆる転売目的で継続的にチケットを売買している場合はこちらに当たります。一方、今回のように自分で観戦するつもりで購入し、渡航費の高騰という事情で一回だけ売った場合は、営利目的・継続的とはいえないと考えられます。

生活用動産の非課税には当たらない

家具や衣服などの生活用動産(日常生活に必要な家財)の譲渡は非課税です(所得税法第9条第1項第9号、所得税法施行令第25条)。しかし観戦チケットは、一般的には生活に通常必要な動産には当たらないと考えられるため、譲渡所得として計算します。

計算してみると

項目金額(例)
売却額20万円
取得費(購入額)5万円
売却時の手数料差し引く
譲渡益15万円程度
特別控除最高50万円
譲渡所得の金額0円

保有期間が5年以内なので短期譲渡所得となり、全額が総合課税の対象です。ただし、特別控除50万円(所得税法第33条第3項・第4項)を差し引くと、譲渡所得の金額は0円になります(国税庁タックスアンサーNo.1440)。

注意したいポイント

  • 50万円の特別控除は、その年の譲渡益の合計に対して1回です。同じ年に貴金属やゴルフ会員権など他の資産を売って利益が出ていれば、合わせて計算します。他にそうした売却がなければ、所得税・住民税はかからず、確定申告も不要と考えられます。
  • 外貨で購入・売却した場合は、取引日の為替レートで円に換算して計算します(所得税法第57条の3)。
  • 売却した年によって、どの年分の所得になるかが決まります。購入した年ではない点に注意しましょう。
  • 過去にも転売目的での購入・売却を繰り返していた場合は雑所得となり、15万円程度がそのまま所得になります。給与所得者で給与以外の所得が20万円以下なら所得税の確定申告は不要ですが(国税庁タックスアンサーNo.1900)、住民税の申告は別途必要です。

譲渡所得の50万円控除の考え方は、ゴルフ会員権を売ったときの税金(個人)でも詳しく解説しています。ものを売ったときの所得区分の違いについては、オンラインオリパで当てたトレカを売ったら確定申告は必要?もご覧ください。

まとめ

  • 自分で使うつもりで買い、やむを得ず一回だけ売ったチケットの利益は譲渡所得と考えられる
  • 年50万円の特別控除により、他に譲渡益がなければ税金はかからず、確定申告も不要の見込み
  • 転売を繰り返している場合は雑所得となり、20万円以下でも住民税の申告が必要

この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。

よくある質問

観戦チケットを一度だけ高く売れた場合、何所得になりますか?
自分で観戦するために買い、やむを得ない事情で一度だけ売ったのであれば、営利目的で継続的に売買しているとはいえないため、雑所得ではなく譲渡所得に当たると考えられます(所得税法第33条)。
譲渡益が15万円ほど出ましたが、確定申告は必要ですか?
譲渡所得には年50万円の特別控除があります。同じ年に貴金属やゴルフ会員権など他の資産を売っていなければ、譲渡所得の金額は0円となり、所得税・住民税はかからず確定申告も不要と考えられます。

※本記事は2026年10月23日時点の法令・制度に基づく一般的な解説です。個別の状況により結論が異なるため、実行前に専門家へご相談ください。
※本記事の無断転載・複製、商用目的での利用はお断りします。引用の際は、出典(税理士法人クレフティ・記事URL)を明記してください。

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