ご相談の内容
従業員の食事代を補助している会社からのご相談です。所得税の非課税枠が月額3,500円から7,500円に引き上げられましたが、事業年度の途中で改正された場合の扱いが分からない、という内容でした。9月決算の会社の例でいえば、10月〜3月分は3,500円で4月〜9月分は7,500円になるのか、それとも事業年度全体が7,500円になるのか、というご質問です。
- 9月決算の会社の例では、10月〜3月分は月額3,500円、4月〜9月分は月額7,500円で判定する
- 判定は法人の事業年度ではなく、食事を支給した時点で毎月行う
- 現金で渡す食事代は、一定の場合を除き非課税枠の対象外
回答
事業年度ではなく、支給した時点で判定する
食事の支給(会社が食事を用意して提供すること)が非課税になるかどうかは、所得税(源泉所得税)の問題です。源泉所得税は、法人の事業年度ではなく、従業員に食事を支給した時点の取扱いで毎月判定します。法人税の決算期は、この判定には影響しません。
今回の限度額の引上げは令和8年度税制改正で示された内容で、令和8年4月1日以後に支給する食事から適用されます。そのため、それより前の月は従来の3,500円で判定します。
| 支給する月(9月決算の会社の例) | 会社の負担額の限度額 |
|---|---|
| 2025年10月〜2026年3月 | 月額3,500円 |
| 2026年4月〜2026年9月 | 月額7,500円 |
非課税になる2つの要件
要件は、所得税基本通達36-38の2と国税庁タックスアンサーNo.2594「食事を支給したとき」で示されています。次の2つをどちらも満たす必要があります。
- 従業員が食事の価額(金額)の半分以上を負担していること
- 会社の負担額(食事の価額から従業員の負担額を差し引いた額)が月額の限度額以下であること(税抜で判定)
会社の負担額が限度額を超えると、超えた部分だけでなく、会社の負担額の全額が給与として課税されます。
例で確認
税抜の食事の価額が月12,000円で、従業員と会社が6,000円ずつ負担している場合を考えます。従業員は半分を負担しているので、1つ目の要件は満たしています。
| 支給する月 | 限度額 | 会社の負担額 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 2026年3月まで | 3,500円 | 6,000円 | 限度額を超えるため、6,000円全額が給与として課税 |
| 2026年4月以降 | 7,500円 | 6,000円 | 限度額以下のため、非課税 |
注意したいポイント
- 補助の方法によって扱いが変わります。 弁当の手配や社員食堂などで、会社が食事そのものを提供しているのであれば、上記の判定になります。
- 現金で渡す食事代は非課税枠の対象外です。 深夜勤務者の夜食代など一定の場合を除き、金額にかかわらず原則として給与として課税されます。
- 実務上は、4月支給分から会社の負担額の上限と従業員の負担割合を見直し、改正前後の月で判定を分けて管理するのがよいでしょう。
- 限度額を超えた月があると全額が課税になるため、月ごとの負担額の確認が大切です。
役員や社員の昼食代の扱いは、同族会社で社長や社員の昼食代は経費になる?福利厚生費・役員給与・会議費の分かれ目でも解説しています。
まとめ
- 食事補助の非課税枠は、事業年度ではなく食事を支給した時点で判定する
- 令和8年4月1日以後に支給する食事から月額7,500円、それより前の月は月額3,500円
- 要件は本人が半分以上を負担し、会社の負担額が限度額以下。現金での補助は対象外
この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。
