賃貸経営や不動産事業では、「払ったけれど、物(資産)は何も残らない」支出がいくつかあります。サブリースや民泊のために建物を借りるときの権利金・礼金、返ってこない敷金(敷引き)、アパートの開発許可に伴って市町村に払う公共施設の負担金、商店街や町内会の共同施設の負担金、宅建業の同業者団体の入会金などです。
これらは「費用」なのに、税務上は支払った期に全額を経費にできず、繰延資産として数年にわたって償却するものが多くあります。一方で、20万円未満なら一括で経費にでき、簡易な施設の負担金のように最初から経費にしてよいものもあります。決算書では「長期前払費用」として資産に載るため、銀行からの見え方にも関わります。
この記事では、不動産投資家・不動産事業者が出会いやすい繰延資産について、税務上の扱い(法人と個人)、会計上の表示、銀行からの見え方、そして国税不服審判所の裁決事例を整理します。
- 支出の効果が1年以上に及ぶ一定の費用は、税務上の繰延資産。建物を借りるための権利金・礼金、公共的施設・共同的施設の負担金、同業者団体の加入金などが該当する
- 償却期間は法人税基本通達8-2-3(個人は所得税基本通達50-3)の表で決まる。建物を借りるための一般的な権利金等は原則5年
- 契約ごと・計画ごとに20万円未満なら、支出した期に一括で経費にできる。賃借の仲介手数料や簡易な施設の負担金も支出時の経費にできる
- 会計上は、税法固有の繰延資産は「投資その他の資産」に長期前払費用などとして表示する(中小企業の会計に関する指針)
- 前賃借人に払った造作の買取代金を一括で特別損失にした会社について、審判所は実質は権利金であり繰延資産と判断した(平成7年7月7日裁決)
- 銀行は実態の純資産から差し引いて見ることがある一方、償却額は現金の出ない費用。内容と償却期間を説明できるようにしておく
繰延資産とは何か:前払費用・無形固定資産との違い
法人税法2条24号は、繰延資産を「法人が支出する費用のうち支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもので政令で定めるもの」と定めています(資産の取得に要した金額と前払費用は除く)。所得税法2条1項20号にも、個人の不動産所得・事業所得などについて同じ趣旨の定めがあります。
政令(法人税法施行令14条1項)では、創立費・開業費・開発費・株式交付費・社債発行費という会計上もおなじみの5つに加えて、次のような税法固有の繰延資産を挙げています。
- 自己が便益を受ける公共的施設・共同的施設の設置や改良のために支出する費用
- 資産を賃借し、または使用するために支出する権利金、立退料その他の費用
- 役務の提供を受けるために支出する権利金その他の費用
- 製品等の広告宣伝用の資産を贈与したことにより生ずる費用
- そのほか、自己が便益を受けるために支出する費用(同業者団体の加入金など)
似たものとの違いを整理すると、次のようになります。
| 区分 | 何に対する支出か | 例 | 税務上の扱い |
|---|---|---|---|
| 前払費用 | まだ提供を受けていない役務の対価 | 翌期分の地代・保険料 | 役務の提供を受けた期の経費(短期前払費用の特例あり) |
| 繰延資産 | すでに支払い・役務提供は済んだが、効果が将来に及ぶ費用 | 権利金・礼金、施設負担金 | 償却期間にわたって償却 |
| 無形固定資産 | 法的な権利や利用権そのもの | 借地権、水道施設利用権 | 借地権は償却しない。施設利用権は耐用年数で償却 |
たとえば、土地を借りるための権利金は借地権の取得価額であり、繰延資産ではなく償却もできません(借地権付き建物の取得と借地権の税務)。水道の加入金は「水道施設利用権」という無形減価償却資産です(水道加入金・電気の引込工事負担金の処理)。前払費用との関係は短期前払費用の特例で解説しています。名前ではなく、何に対して払ったかで区分が決まります。
不動産でよく出てくる繰延資産と償却期間
償却期間は、法人税基本通達8-2-3の表で定められています(個人も所得税基本通達50-3で同じ内容)。不動産に関係の深いものを抜き出すと、次のとおりです(国税庁:法人税基本通達 第8章第2節 繰延資産の償却期間)。
| 種類 | 不動産での例 | 償却期間 |
|---|---|---|
| 建物を賃借するための権利金等(新築時に払い、建設費の大部分に相当し、建物の存続期間中借りられる状況にあるもの) | 建貸し(建築協力型)の店舗の権利金 | その建物の耐用年数の7/10 |
| 建物を賃借するための権利金等(明渡しの際に借家権として転売できることになっているもの) | 譲渡可能な店舗・事務所の権利金 | 賃借後の見積残存耐用年数の7/10 |
| 上記以外の建物を賃借するための権利金等 | サブリース・民泊・社宅・事務所の礼金、返還されない敷金 | 5年(契約期間が5年未満で、更新時に再び権利金等の支払を要することが明らかなときはその賃借期間) |
| 公共的施設の負担金(負担者が専ら使用する施設) | 自社の開発地のための専用道路の整備負担 | 施設の耐用年数の7/10 |
| 公共的施設の負担金(それ以外) | 国・自治体が設置する道路など、一般の人も使う施設の負担金 | 施設の耐用年数の4/10 |
| 共同的施設の負担金(建設・改良部分) | 協会・組合の共同施設の建設負担金 | 施設の耐用年数の7/10(土地取得部分は45年) |
| 商店街等の共同のアーケード・日よけ・すずらん灯など | 店舗物件のある商店街のアーケード負担金 | 5年(耐用年数が5年未満ならその年数) |
| 同業者団体等の加入金 | 業界団体の入会金(地位を譲渡できるもの・出資の性質のものを除く) | 5年 |
償却期間に1年未満の端数があるときは切り捨てます。道路用地をそのまま、または舗装して国・地方公共団体に提供した場合は、「施設の耐用年数」を15年として表を当てはめます。また、国などが行う公共的施設の設置で著しく利益を受ける場合の負担金でも、土地所有者などが土地の価格の上昇に基因して納付するものは繰延資産から除かれています(法基通8-1-3)。開発に伴う負担金は、土地の取得価額や造成費に含めるべきものとの線引きが論点になるため、負担金の根拠(要綱・協定書)を確認してください。公共下水道の受益者負担金は6年とする特例(法基通8-2-5)、協会の会館などの負担金で償却期間が10年を超えるものは10年とする特例(法基通8-2-4)もあります。
経費にしてよいもの
繰延資産の周辺には、最初から支出した期の経費にできるものもあります(国税庁:法人税基本通達 第8章第1節)。
- 建物の賃借に際して支払った仲介手数料:支払った期の損金にできる(法基通8-1-5注書き)
- 簡易な施設の負担金:国・地方公共団体・商店街などが行う街路の簡易舗装、街灯、がんぎなどで、主として一般公衆の便益に供されるものの負担金は、繰延資産としないで支出した期の損金にできる(法基通8-1-13)
- 長期分割払の負担金:公共的施設・共同的施設の負担金で、償却期間以上の期間にわたっておおむね均等額で分割徴収され、徴収がおおむね工事の着工後に始まるものは、支出した期の損金にできる(法基通8-3-4)
なお、物件の家主が入居者に払う立退料は、ここでいう「建物を賃借するための立退料」とは場面が違います。建替えや売却のための立退料の扱いは立退料を払った場合の処理をご覧ください。
税務上の扱い:償却の計算と、法人と個人の違い
償却の計算と20万円未満の扱い
税法固有の繰延資産の償却限度額は、支出額 × その期の月数 ÷ 償却期間の月数で計算します(月割り)。たとえば3月決算の法人が、1月にサブリース用の建物の権利金300万円(契約期間3年、更新時の再支払の定めなし)を払った場合、償却期間は5年(60か月)なので、その期の償却限度額は300万円×3÷60=15万円です。
ただし、支出する金額が20万円未満のものは、支出した期に全額を経費にできます(法人:法人税法施行令134条、個人:所得税法施行令139条の2)。20万円未満かどうかは、権利金等は契約ごと、公共的施設の負担金は一の設置計画・改良計画ごと(分割払いなら見積総額)で判定します(国税庁:法人税基本通達 第8章第3節 償却費の計算、8-3-8)。複数の部屋を借りて1部屋ずつ礼金が20万円未満でも、1つの契約でまとめて借りていれば合計で判定する点に注意が必要です。
そのほか、実務で押さえたい通達は次のとおりです。
- 分割払いの繰延資産:総額が確定していても、総額を未払金に計上して償却することはできない。ただし分割期間がおおむね3年以内なら可(法基通8-3-3)
- 償却の開始時期:固定資産を利用するための繰延資産で、その固定資産の建設に着手していないときは、建設に着手した時から償却する(法基通8-3-5)。開発負担金を先に払ってアパートの着工が翌期になるような場合が当たる
- 滅失・解約:対象の建物が滅失したり、賃貸借契約を解約したりしたときは、その期に未償却残額を損金に算入する(法基通8-3-6)
法人と個人の違い
| 項目 | 法人 | 個人(不動産所得・事業所得など) |
|---|---|---|
| 根拠 | 法人税法2条24号・32条、法人税法施行令14条・64条、法基通8-1・8-2・8-3 | 所得税法2条1項20号・50条、所得税法施行令7条・137条、所基通50-3など(国税庁:所得税基本通達 繰延資産の償却費の計算) |
| 償却費の計上 | 損金経理が必要。償却限度額までの範囲で損金になり、限度額を超えた分は損金にならない(翌期以降に繰越し) | 償却費の額をその年の必要経費に算入する(損金経理の要件はない) |
| 期間の数え方 | 事業年度の月数で月割り | その年の月数で月割り |
| 20万円未満 | 損金経理をすれば支出した期に全額損金(法令134条) | 支出した年の必要経費(所令139条の2) |
| 簡易な施設の負担金 | 法基通8-1-13 | 所基通2-26 |
| 開業費・創立費など会計上の繰延資産 | 任意償却(いつでも償却できる) | 開業費は任意償却。詳しくは新築アパートの開業前の費用 |
法人の場合、償却費以外の科目で費用処理していても、その金額は「償却費として損金経理をした金額」に含まれます(法基通8-3-2)。ただし、損金になるのはあくまで償却限度額までです。全額を費用にした場合は、限度額を超える部分を申告書の別表で加算することになります。
消費税は支払った時の課税仕入れ
事業用の建物を借りるための権利金・礼金は課税仕入れで、償却とは関係なく支払った課税期間に仕入税額控除の対象になるのが原則です。住宅の貸付けに係る礼金・権利金は非課税なので、居住用の部屋を借りて転貸する場合などは対象になりません。課税・非課税の線引きは礼金・敷金・保証金・更新料の処理もあわせてご覧ください。
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不動産投資家向け税務・融資支援を見る会計上の扱い:長期前払費用として表示する
ここで、企業会計(一般に公正妥当と認められる会計基準=GAAP:Generally Accepted Accounting Principles)の考え方を確認しておきます。法人税法22条4項は、収益・費用の額を「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」に従って計算すると定めており、税務も会計の考え方を土台にしています。しかし、繰延資産については税務と会計で範囲が違います。
中小企業の会計に関する指針(日本公認会計士協会・日本税理士会連合会・日本商工会議所・企業会計基準委員会)では、次のように整理されています。
- 会計上の繰延資産は、創立費・開業費・開発費・株式交付費・社債発行費・新株予約権発行費。原則として費用処理し、繰延資産として計上することもできる
- 税法固有の繰延資産(公共的施設の負担金、資産を賃借するための権利金・立退料、役務の提供を受けるための権利金など)は、会計処理を行う場合、長期前払費用等として計上し、貸借対照表の「投資その他の資産」に表示する
- 建物等の賃貸借契約で返還されないことが明示されている敷金は、税法固有の繰延資産に該当し、賃貸借期間にわたって償却する
- 税法固有の繰延資産には法人税法上の償却限度額の規定があることに留意し、少額のものは発生時に費用処理する
- 繰延資産の償却額は、営業収益との対応関係があれば販売費及び一般管理費、なければ営業外費用に表示する。支出の効果が期待されなくなったときの一時償却額は、原則として特別損失に表示する
つまり、税務上「いつ損金になるか」と、決算書上「どの区分に、どう表示するか」は別の問いです。サブリース事業の権利金の償却は事業に直接対応する費用なので販管費に、物件を手放して契約を解約したときの未償却残額の一括償却は特別損失に、というように、実態に合わせて判断します。税務と会計の関係は税務上の損金と企業会計(GAAP)の違いで詳しく整理しています。
著書では「収益は上に、費用は下に」と書いていますが、これは表示区分を実態に沿って正しく選ぶという意味です。繰延資産に当たる支出を、税務上の償却を無視して一括で特別損失に入れてよいということではありません。どの区分にできるかは取引の実態次第なので、顧問税理士・会計の専門家と検討してください(「収益は上に、費用は下に」とは)。
裁決事例:前賃借人への支払は「権利金」として繰延資産
国税不服審判所 平成7年7月7日裁決(裁決事例集No.50 190頁)
- 事案:バーを営む同族会社が、ビルの一室を借りるにあたり、前の賃借人(麻雀店)との間で賃借権と造作・備品の譲渡契約を結び、造作等の対価として4,500万円(ほかに保証金相当額)を支払った。会社は、引渡しの翌日から造作等をすべて取り壊して廃棄し、新たにバーの内装工事を行ったうえで、造作の対価(税抜約4,369万円)を全額、その期の特別損失として損金に算入した。会社は「造作を取得して取り壊したのだから、取壊し損失として損金になる」と主張した
- 判断:審判所は、会社が造作等を利用した事実はなく、麻雀店とバーでは業種がまったく違うことから、この支出は造作等の利用価値に着目したものではなく、既存の造作を壊して新たな内装を施し、バーを営業できるという価値に着目した支払であり、実質的には建物の賃借に際して支払う権利金と性質を異にするものではないとして、繰延資産に当たると判断した。また、前賃借人の決算書に繰延資産が計上されていないことは、請求人の経理処理に影響しないとした。賃貸借契約で家主の承諾があれば賃借権を第三者に譲渡できることから、償却期間は賃借後の見積残存耐用年数の10分の7(原処分庁の計算で252か月)が相当とされ、その期の償却限度額は約52万円、残りの約4,317万円は償却限度超過額として損金不算入となった
- 一次情報:国税不服審判所 公表裁決事例(平7.7.7裁決、裁決事例集No.50 190頁)
国税不服審判所 昭和63年6月21日裁決(裁決事例集No.35 115頁)
- 事案:店舗を開設するにあたり、前の賃借人に金員を支払った事例
- 判断:この金員は、店舗を賃借して使用するために支出する権利金に類似する必須の費用であり、繰延資産(資産を賃借するために支出する費用)に該当するとされた。店舗が鉄筋コンクリート造の高架線路の下に設置されており、その存廃が高架線路と同じと認められることから、償却期間は高架線路の耐用年数から計算した見積残存耐用年数を基に算定するのが相当とされた
- 一次情報:国税不服審判所 公表裁決事例要旨(法人税法関係・繰延資産の償却等)
実務への示唆
2つの裁決はいずれも、支払の相手や名目(造作の代金、前賃借人への支払)ではなく、実質で判断することを示しています。不動産事業でも、店舗物件や事務所を居抜きで借りる、民泊・旅館業のために前の運営者から賃借権と設備を引き継ぐ、といった場面で同じ論点が出てきます。
- 引き継いだ設備を実際に使うなら、その設備の取得価額として減価償却資産に計上する余地がある
- すぐに撤去する、業種が違って使わないなら、賃借するための権利金として繰延資産になる可能性が高い
- 契約書で「造作代金」「権利金」「保証金」の内訳を分け、何に対する対価かを説明できるようにしておく
なお、これらの裁決は個別の事実関係にもとづく判断であり、前賃借人への支払がすべて繰延資産になるという意味ではありません。
銀行からの見え方
繰延資産は、現預金の動きとしては支払った時に全額出ていきますが、決算書の上では数年に分けて費用になります。銀行の目線で整理すると、次のようになります。
| 指標 | 繰延資産として償却する場合 | 一括で費用にする場合(20万円未満など) |
|---|---|---|
| 当期の営業利益・経常利益 | 償却額だけが費用になり、影響は小さい | 支払った期だけ大きく下がる |
| 純資産(決算書上) | 未償却残高が資産として残る | 資産は残らない |
| 実態の純資産(銀行の見方) | 長期前払費用は換金できないため、差し引いて見られることがある | 差し引かれるものがない |
| 償却前の利益(返済能力) | 償却額は現金の出ない費用として、足し戻して考えることができる | 支払った期の利益が小さく見える |
| 流動比率 | 投資その他の資産なので影響しない | 影響しない |
金融機関は、決算書の純資産をそのまま使うのではなく、資産の中身を見て「実態の純資産」を計算します。長期前払費用や繰延資産は、売却して現金に換えられるものではないため、資産性が乏しいとして差し引いて見られることがあります。金額が小さければ問題になりませんが、サブリース事業で多数の物件の権利金を払っている会社や、開発負担金が大きい会社では、純資産が実態より厚く見えていると受け取られるおそれがあります。実態の貸借対照表の考え方は含み益・含み損と銀行の実態BSで解説しています。
反対に、償却額は現金の出ない費用です。著書のモデルでは、債務償還年数を(借入金−現預金)÷(経常利益+減価償却費−法人税等)で計算しますが、繰延資産の償却額も同じ性質の費用なので、内訳を示せば償却前の利益として考慮してもらえることがあります。決算書の勘定科目内訳書で、何の権利金か、償却期間は何年か、いつ終わるかを示しておくと、担当者が稟議書に書きやすくなります。
いちばん避けたいのは、裁決事例のように、本来は繰延資産になる支出を一括で特別損失に入れ、税務調査で否認されることです。追徴税額と加算税で現預金が減ります。銀行の格付けの全体像は銀行の格付けを上げる方法をご覧ください。
実務のチェックポイント
- 何に対する支出かを確認する:建物の賃借か、土地の賃借(借地権)か、施設の利用権か、設備の取得か。名目ではなく契約の中身で判断する
- 契約ごとに20万円未満かを判定する:権利金等は契約ごと、負担金は設置計画ごと
- 償却期間を表に当てはめる:建物の賃借の権利金は原則5年。借家権として転売できる場合、新築時の建設協力型の場合は耐用年数ベースになる
- 仲介手数料・簡易な施設の負担金は分けて処理する:繰延資産にせず支出時の経費にできる
- 償却開始時期を確認する:建物の建設に着手していない段階で払った負担金は、着工時から償却する
- 解約時に未償却残額を落とす:解約や滅失があった期に損金算入する。決算書では一時償却として特別損失に表示するのが原則
- 居抜きの支払は内訳を分ける:使う設備の対価と、借りるための対価を契約書で区分する
まとめ
- 建物を借りるための権利金・礼金、返還されない敷金、公共的施設・共同的施設の負担金、同業者団体の加入金などは、税務上の繰延資産として償却する
- 償却期間は法人税基本通達8-2-3(個人は所得税基本通達50-3)の表で決まり、建物の賃借の一般的な権利金等は原則5年
- 契約ごと・計画ごとに20万円未満なら一括で経費にでき、賃借の仲介手数料や簡易な施設の負担金も支出時の経費にできる
- 法人は損金経理と償却限度額、個人は必要経費への算入という違いがある
- 会計上は「投資その他の資産」に長期前払費用などとして表示し、償却額の表示区分は実態で判断する
- 審判所は、前賃借人への造作代金を一括で特別損失にした会社について、実質は権利金であり繰延資産と判断した
- 銀行は実態の純資産から差し引いて見ることがある。内容・償却期間・終了時期を説明できるようにしておく
税理士法人クレフティでは、税務上の処理と、銀行から見た決算書の両面から不動産事業の決算をサポートしています。初回のご相談は無料です。不動産投資家向けサービスからお気軽にお問い合わせください。
