法人税・会社の経理

電動シャッターは「大胆な投資促進税制」の対象になる?単独では使えない理由

ご相談の内容

工場や倉庫などで電動シャッターを導入・更新するにあたり、令和8年度税制改正でできた「特定生産性向上設備等投資促進税制」(いわゆる「大胆な投資促進税制」)を使えるかを知りたい、というご相談です。設備投資の税制は種類が多く、どの設備が対象になるのか分かりにくいところです。

結論
  • 電動シャッター単独では、特定生産性向上設備等投資促進税制の対象にならない
  • 生産等設備を構成する設備として投資計画に含まれ、投資規模・投資利益率・確認の要件を満たせば対象となる可能性がある
  • 電動シャッターは一般に建物附属設備の「自動開閉設備」(耐用年数12年)に当たる

回答

どんな制度か

この制度は、令和8年度税制改正で創設されたもので、経済産業大臣の確認を受けた一定規模以上の設備投資に対し、次のどちらかを選べる制度です(財務省「令和8年度税制改正の大綱」)。

選べる優遇内容
即時償却取得価額の全額をその年度に償却できる
税額控除取得価額の7%(建物・建物附属設備・構築物は4%)。当期の法人税額の20%が上限

投資計画に求められる主な要件

設備1台ごとではなく、投資計画全体で判定されるのが特徴です。主な要件は次のとおりです。

  • 生産性向上設備等の取得価額の合計が35億円以上(中小企業者等は5億円以上)
  • 年平均の投資利益率が15%以上見込まれること
  • 経済産業大臣の確認を受けること

このため、電動シャッターを1台取り替えるような投資は、それだけでは対象になりません。

電動シャッターが対象になり得るケース

対象資産は、生産等設備を構成する機械装置・工具・器具備品・建物・建物附属設備・構築物・ソフトウエアのうち、一定規模以上のものです。電動シャッターが、工場の新設・増設などの生産等設備の一部として投資計画に含まれ、計画全体が上の要件を満たせば、対象となる可能性があります。

大綱では、建物附属設備は1つ120万円以上(60万円以上のものの年間合計が120万円以上の場合を含む)が規模の目安とされています。一方、事務用の器具備品、本店や寄宿舎などの建物、福利厚生施設は対象外です。

耐用年数と資産の区分

電動シャッターは、耐用年数表の建物附属設備のうち「自動開閉設備」(耐用年数12年)に当たるのが一般的です。建物と一体で取得する場合など、制度上の区分(建物附属設備としての扱い)で税額控除率なども変わるため、確認が必要です。

注意したいポイント

  • 確認を受けてから取得する計画が前提です。確認の期限は令和11年3月31日までとされ、確認後5年以内に取得して事業に使う必要があります。
  • 確認を受けた期間中は、中小企業経営強化税制などほかの一部の設備投資税制と併用できません。小規模な投資なら、別の制度のほうが合う場合もあります。
  • 即時償却で利益を大きく圧縮すると、決算書の見た目が変わり、金融機関の評価に影響することがあります。設備資金の融資とあわせて検討しましょう。

減価償却が決算書に与える影響は減価償却費が多い会社は危ない?銀行が見る「見かけの赤字」と実態BS、設備の支出の区分は修繕費と資本的支出の違いと判定フローでも解説しています。

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まとめ

  • 電動シャッター単独では、特定生産性向上設備等投資促進税制の対象にならない
  • 生産等設備の一部として35億円以上(中小企業者等は5億円以上)・投資利益率15%以上の投資計画に含まれ、確認を受ければ対象となる可能性がある
  • 電動シャッターは一般に「自動開閉設備」(12年)。区分と要件は取得前に確認する

この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。

よくある質問

電動シャッターだけを取り替える場合、この税制は使えますか?
使えません。この税制は、経済産業大臣の確認を受けた一定規模以上の投資計画に基づく設備投資が対象です。電動シャッター単独では対象にならず、生産等設備を構成する設備として投資計画に含まれ、投資規模や投資利益率15%以上などの要件を満たした場合に対象となる可能性があります。
電動シャッターの耐用年数は何年ですか?
電動シャッターは、耐用年数表の建物附属設備のうち「自動開閉設備」(耐用年数12年)に当たるのが一般的です。取得の仕方や設置の状況によって扱いが変わることがあるため、個別に確認が必要です。

※本記事は2026年10月22日時点の法令・制度に基づく一般的な解説です。個別の状況により結論が異なるため、実行前に専門家へご相談ください。
※本記事の無断転載・複製、商用目的での利用はお断りします。引用の際は、出典(税理士法人クレフティ・記事URL)を明記してください。

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