ご相談の内容
韓国でロケを行うことになり、現地の会社にコーディネーターや車両、ドライバーの手配を依頼する場合のご相談です。ガソリン代や高速代、駐車場代も含めて依頼するときに、付加価値税10%が請求されるものなのかを知りたい、という内容でした。
- 韓国国内で受けるサービスには、原則として韓国の付加価値税10%が請求されるのが一般的
- 日本の消費税では不課税となり、韓国で支払った付加価値税は仕入税額控除の対象にならない
- 零税率や還付の制度はあるが、要件が限られるため、現地の専門家への確認が必要
回答
以下の韓国の制度に関する部分は一般的な説明です。実際の適用は、現地法人や韓国の税務専門家にご確認ください。
韓国で提供されるサービスには10%が請求されるのが一般的
付加価値税(VAT)は、日本の消費税にあたる税です。韓国の付加価値税は、韓国国内で提供される役務の提供(サービスの提供)に課税されます。発注者が日本の会社であっても、サービスが韓国で行われ、韓国で消費される以上、現地法人は通常10%を上乗せして請求します。
ガソリン代などの実費は請求の形で変わる可能性がある
| 請求の形 | 扱いの考え方 |
|---|---|
| サービス料金に含めて一括で請求 | 全体が課税対象となることが多いと考えられる |
| 現地法人が実費を立て替えて、そのまま精算 | 扱いが異なる可能性がある |
零税率の制度
韓国には、国内に事業所を持たない外国法人へのサービス提供で、外貨で支払いを受けるなど一定の要件を満たす場合に、税率をゼロとする零税率の制度があります(韓国付加価値税法第24条等)。ただし、対象となるサービスの種類は限られています。車両やドライバーのように現地で直接消費されるサービスが該当するかは、現地法人や韓国の税務専門家に確認するのが確実です。
外国の事業者向けの還付制度
外国の事業者が負担した付加価値税の還付を受けられる制度もあります(韓国租税特例制限法第107条、107条の2)。この制度は、相互主義(お互いの国が同様の扱いをすること)や対象費目などの要件があるため、日本法人が利用できるかは事前の確認が必要です。
日本の消費税と経費の扱い
国外で行われる役務の提供は国内取引に該当せず、不課税(消費税の対象外)となります(消費税法第4条第3項第2号)。そのため、韓国で支払った付加価値税は、日本の消費税の仕入税額控除(納める消費税から差し引く仕組み)の対象にはなりません。
法人税や所得税の計算上は、ロケ費用の一部として経費に含めて処理します。
| 項目 | 扱い |
|---|---|
| 韓国で受けるサービスの対価 | 日本の消費税では不課税 |
| 韓国で支払った付加価値税 | 仕入税額控除の対象外 |
| 法人税・所得税の計算 | ロケ費用の一部として経費に含める |
注意したいポイント
- 請求書の確認:請求書を受け取ったら、付加価値税が区分して記載されているかを確認しておくと、経理処理がしやすくなります。
- 実費の請求方法:ガソリン代などを一括で請求するのか、立替えの精算にするのかで扱いが異なる可能性があるため、発注の段階で確認しておきましょう。
- 零税率や還付を前提にしない:どちらも要件があるため、適用できるかは見積りの前に現地の専門家に確認するのが確実です。
消費税の対象外(不課税)と非課税の違いは、取引の区分を扱った法人のFX、売買益とスワップポイントは消費税で非課税?不課税?でも確認できます。
まとめ
- 韓国国内で受けるサービスには、原則として付加価値税10%が請求されるのが一般的
- 日本の消費税では不課税で仕入税額控除の対象外。経費としてはロケ費用に含めて処理する
- 零税率や還付の適用可否は、現地法人や韓国の税務専門家に確認する
この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。
