住宅・不動産

家の建築代金を大工さんに無利息で分割払い、契約書の書き方と税金の注意点は?

ご相談の内容

老後のために小さな家を建てるにあたり、付き合いのある大工さんが、頭金を半分払い、残りは利息なしで毎月分割して払えばよいと言ってくれた、というご相談です。支払いに不安が残らないよう合意書を作り、「毎月○万円を支払う」「余裕のある時にはまとまった額を支払う」という内容にしたい。手元の現預金に余裕を持たせたいという狙いもあり、この文面で問題がないかを知りたいという内容でした。

結論
  • 完済が高齢になる長期の設定や、余裕のある時に任意の額を上乗せして払う定めを入れても、税務署から問題にされることは通常ない
  • 文面は当事者同士の契約。税務署は作成や承認はせず、相談できるのは税金の扱いに関する点
  • 大工さんが親族なら贈与に注意。実態に合わせ「請負代金の分割支払い」として作り、印紙税と住宅ローン控除も確認する

回答

税務署は契約書の文面をつくらない

契約書の文面は、当事者同士の取り決め(私法上の契約)です。税務署は文面の作成や承認はしません。相談できるのは、その取り決めが税金の上でどう扱われるかという点です。

1. 大工さんが親族の場合は贈与に注意

大工さんが実際に親族(いとこなど)である場合、親族間で無利息のお金の貸し借りをすると、利息に相当する額が贈与とされる場合があります。また、返済の実態がなければ、借入金全体が贈与とみなされることもあります(国税庁タックスアンサーNo.4420)。

  • 収入や資産からみて無理のない最低支払額を定め、そのとおり支払う
  • 支払いは銀行振込にして記録を残す
  • 途中で残額を免除してもらうと、免除額は贈与とみなされる(相続税法8条)

親族ではなく、工事代金の取引条件として分割払いに応じてもらう場合は、通常、贈与の問題は生じにくいと考えられます。

2. 支払額が変わる定めは入れてよい

「毎月○万円以上を支払う。別途、任意の時期に任意の額を繰上げて支払うことができる」と定めておけば、その時々で金額が変わっても差し支えありません。返済予定表を作り、年1回程度、残高を双方で確認しておくと安心です。

また、実態は借入れではなく工事代金の分割払いなので、文面も「請負代金の分割支払い」として作成するのが実態に合います。

3. 印紙税

合意書の種類印紙税の区分
工事代金の分割払いの合意書請負に関する契約書(第2号文書)
金銭消費貸借契約書(お金の貸し借りの契約書)第1号文書

どちらの場合も、記載金額に応じた収入印紙が必要です。

4. 住宅ローン控除

住宅ローン控除の対象となる借入金等には要件があり(租税特別措置法41条)、無利息で返済額が不定期の分割払いは対象外となる可能性が高いと考えられます。

注意したいポイント

  • 「借入れ」の形をとるか「請負代金の分割払い」とするかで、印紙税の区分や税務上の見え方が変わります。実態に合った名目にしましょう。
  • 親族間の場合は、最低支払額を守って支払い続けることが大切です。支払いが止まったり、残額を免除してもらったりすると贈与の問題が生じます。
  • 住宅ローン控除を使う前提で資金計画を立てている場合は、対象になるかを事前に確認しましょう。

親族から無利息で住宅資金を借りる場合の考え方は、親から無利息で住宅資金を借りる、最初の返済額が少なくても贈与とみなされない?で解説しています。工事請負契約書の印紙税については、不動産売買契約書・工事請負契約書の印紙税もご覧ください。

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まとめ

  • 無利息の分割払いや任意の繰上げ払いの定めは、通常、税務署から問題にされない
  • 親族間なら最低支払額を決めて銀行振込で払い、残額の免除は贈与になる点に注意する
  • 文面は「請負代金の分割支払い」とし、印紙税と住宅ローン控除の扱いも確認する

この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。

よくある質問

工事代金の分割払いの合意書は、税務署で文面を作ってもらえますか?
いいえ。契約書の文面は当事者同士の取り決め(私法上の契約)なので、税務署は文面の作成や承認はしません。税務署に相談できるのは、贈与になるかなど税金の扱いに関する点です。
無利息の分割払いでも住宅ローン控除は受けられますか?
住宅ローン控除の対象となる借入金等には要件があり(租税特別措置法41条)、無利息で返済額が不定期の分割払いは対象外となる可能性が高いと考えられます。

※本記事は2026年10月22日時点の法令・制度に基づく一般的な解説です。個別の状況により結論が異なるため、実行前に専門家へご相談ください。
※本記事の無断転載・複製、商用目的での利用はお断りします。引用の際は、出典(税理士法人クレフティ・記事URL)を明記してください。

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